f2d4e15e.jpg来週発売されるジェフ・ベックの『BECK-OLA』紙ジャケ仕様を、ひと足お先に聴いてます。海が見下ろせるレンガ作りの小部屋に幽閉されてるリンゴ、ってワケわからないジャケですが。でもコレって趣味で聴いてるんぢゃなくって、仕事なんだよ〜(泣)。
この『BECK-OLA』に続いて、1〜2月には第2期ジェフ・ベック・グループから『ギターショップ』までが紙ジャケ化されるんだけど、それにちなんで某誌がベックを大特集。そのうち、第2期と『BLOW BY BLOW』『WIRED』の頃のサウンド分析や関連アルバムについて書くコトになったのだ。
エッ、なんでカナザワがベック特集? 
そう思う人も多いかも。でもこのblogの常連サンなら分かるでしょ? まして第2期と『BLOW BY BLOW』期だからね。要するに、ジャンルミックス、ハイブリッドな音楽が大好きなボクにとって、この時期のベックはまさしくツボなわけ。何ってたって、ディープ・パープルなら『COME TASTE THE BAND』、ツェッペリンなら『聖なる館』か『PHYSICAL GRAFFITI』というヒトですからねー、ボクは。
そういえば前にココで大推薦したイアン・ギラン・バンドの『CLEAR AIR TURBULANCE』は、今までで一番反響が大きかった。古い知り合いで「よくぞ書いてくれた」とメールくれた人もいたし、騙されたつもりで聴いたらハマっちゃったと言われたりとか。ムム、こういうのはライター冥利に付きますな。でもそういうのはもっとBBSに書いてよ〜、ってコレは贅沢?

ま、とにかく数日間は、ベックとその周辺にドップリになりそうな予感。でもって、この『BECK-OLA』の英文ライナーを読んでいて(訳詞ね)、早くも第2期に関する新発見があったりも。イヤ、新加入のドラマーだったトニー・ニューマンって、やたらシンコペイトするのでボンゾの影響かと思っていたんだけど、実はモータウン直系だったとか、いろいろ興味深いコトが書いてある。ほかにも、この時期のベックに対してボクが前々から思っていたことが氷解したりして。ベックとロッド・スチュアートの絡みはモチロン最高だけれど、それだけなら『TRUTH』でも良い。けれどそうした事情を知って聴く『BECK-OLA』は、もうひとつ進化していたように表情を変えてみせた。そのあたりをキッカケにいろいろ書く予定なので、どうぞお楽しみに。年が明けて発売される頃には親サイトにinfoを流しますので、ヨロシクです。

でもよーく考えてみれば、カナザワにベックの原稿を振ってくるってのは、編集者的にはかなりの英断かもね。巷じゃAOR系のライターって思われているワケだし、編集部の人と音楽論を戦わせる機会も普段はほとんどないのだし。でも相手の嗜好を知らなければ、こういう絶妙な依頼は出てこないワケで。だから某誌S氏には心から感謝。これがレコード会社発注のライナーだと、文章力や専門的な知識より、媒体持ってる人が優先されたりしちゃうから。リイシューならまだしも、特に新譜の場合はその傾向が強い。「この人に書いてもらえば、あそこの記事に載せてもらえる」とか「あの局でかけてもらえる」とか。そんなコトで関係が成り立っているから、音楽ジャーナリズム全体がおかしくなるのだ。
そもそもボクは、AOR系だけをテリトリーにして“お山の大将”になるつもりは毛頭なくて。むしろ、幅広くハイブリッドな音楽の面白さを広めながら、その中で最も洗練されたモノとしてAORをアピールしたいと考えてる。だから自分の中では、ベックとAORも一本に繋がっているのです。

こりゃあ、なかなか面白い原稿が書けるかも。イヤ、そうしなくてはイケマセンね。よりによって年末進行ってぇのがキモですが(苦笑)