5b458ff6.gifいよいよクリスマスですねぇ。もう皆さんは準備万端? けどボクは、例年年末進行でドタバタしてるのが常。でも今年は大きな仕事を片付けて、少しだけ精神的に余裕が生まれたので、こんなん出してみました。少し前にCSラジオ用のクリスマス選曲をしていて、このアルバムの良さを再認識したので、この時期にもう一回ジックリ聴いておきたかったんだよね。
AOR的なスタンスでいうと、アメリカは『風のマジック』以降が少しそれっぽいだけで、彼ら本来の<名前のない馬>とか<金色の髪の少女>なんてあたりは蚊屋の外に置かれる。まぁ、それはそれで理解できるボクだ。
けれど、<ヴェンチュラ・ハイウェイ>や<ティン・マン>あたりがアコースティック・グルーヴとして若い世代に再評価されたのにはビックリした。おっぱいポロリのジャネットもサンプリングに使ってたし。でもDJイベントでこの曲をカラパナ<What Do I Do>とか、アリ・トムソン<Take A Little Rhythm>と繋げると、エライ気持ちイイわけです、ハイ。

それとやっぱりユーミン・トリビュートの<Hello, My Friend>ね。ユーミンのメロディの魅力はそのままに、アメリカらしさを溶かし込んだあの曲で、ボクのアメリカ再評価は決定的になった。90年代に入ってからは、ジェリー・ベックリーのソロ・アルバムは素晴らしかったのに、アメリカ本体のオリジナル作は中途半端でどうも今イチ。そんな不満を吹き飛ばす会心のカヴァーだったね。一緒に入ってるアーティストにも、ユーミンの曲をまったく活かしきれない人がいたのに、彼らはマイケル・フランクスと並ぶベスト・トラックを提供してた。おそらく自分たちでアレンジまで手掛けた成果だろう。

で、このクリスマス・アルバムはその前年、02年のウインター・シーズンに出されたもの。当然トラディショナルやスタンダードのリメイクが中心だけれど、書き下ろしのオリジナル曲も結構入っている。しかもコレが、なかなか好曲・好アレンジ多し! 定番曲<White Christmas>はまるっきりアメリカのオリジナルみたいなアコギ・リフになってるし、オリジナルの<Christmas in California>は胸キュンもののメロディが絶品。個人的にはクリス・レアのあの曲に肩を並べさせたいぐらいだ。もちろん彼らの特徴であるヴォーカル・ハーモニーは完璧だ。

思うに、この頃のアメリカの2人は、ノリにノっている時期だったのだろう。このアルバムの活きの良さが、そのままユーミン・トリビュートに繋がった気がする。かつて一世を風靡しただけに、きっと自分たちのオリジナル・スタジオ作となると、少し考え過ぎて委縮しまうのだろう。そうしたプレッシャーのかからない企画アルバムでないと本領を発揮できないというジレンマが、今の彼らではないか。あまりに勿体ない話だけれど。多分彼らには、アメリカを心底から理解してくれる良いプロデューサーが必要だと思う。

イイ時の彼らだけを集めたようなアルバムを、ボクは心から待っているのだ。