707de615.jpg昨日今日と、贅沢なライヴを連チャンで楽しんできた。
昨日は角松敏生の神奈川県民ホール、そして今日は東京国際フォーラムのブライアン・ウィルソン。
ビートルスから洋楽に入り、そこからハード・ロックやプログレに進んだ自分だから、ビーチ・ボーイズやその周辺に積極的な興味を持つことはずっとなかった。まともにアルバムを聴くようになったのも、ここ10年くらい。だから幻の『SMILE』がリリースと言われても実はそれほど感慨はなかったし、その感想も“美しいけど難解”というものだった。

今日、このライヴを観ても、その印象はあまり変らず。でも8人編成の管弦楽団を引き連れて、あの入り組んだ曲を完璧に再現したあたりは、言うなれば交響楽的面白さに満ちていて。オーディエンスも『SMILE』再演の“歴史的瞬間”に立ち合ったという興奮を感じていたのだろう、ラストの<Good Vibration>で一気に爆発。アンコールはまさにお祭り騒ぎと化した。ライティングの美しさも特筆すべき。

けれど何やかんや言いながらも、帰ってきてからこんなん引っ張り出して余韻を楽しんでる。ウィルソン兄弟以下、フル・メンバー揃ってのイギリスでのラスト・ライヴで、有名なネブワース・ロック・フェスティヴァルでの録音だ。これを聴いて気づいたのは、やっぱり今日観たのは、ビーチ・ボーイズではなくブライアンのソロなのだな、と。当たり前といやぁ確かに当たり前だけど、内部にゴタゴタを抱えながら何とか活動を維持してたビーチ・ボーイズに対し、今日のバンドはひたすらブライアンに忠実だ。幻の『SMILE』は、お蔵入りした時点でビーチ・ボーイズの作品ではなくなり、ひたすらブライアンの頭の中で鳴り続けた。もし今もビーチ・ボーイズのメンバーがみんな揃っていたとしても、おそらくグループでの『SMILE』再現は不可能だったろう。

あとどーでも良いコトですが、業界人が多かったのもブライアンならでは。インターバルでは、関係者席の周辺は社交場と化してました。それと気になったのは、妙な臭い。あれは近くに座った人の体臭などではなく、男性中年率が異様に高かったからだと思う。いわゆる加齢臭かな? 他に誰か妙な臭いを感じませんでしたか?