fb28906f.gif朝は突風が吹き荒れていたけれど、部屋や車内にいるとポカポカしてきてウララカな気分。九州の地震やら、墓参りと彼岸の親戚回りやら、明日締切の原稿やら…と、気に掛かるコト、片付けるべきコトは山積みなれど、とりあえずコレを聴きながらコーヒー飲んで、ホッと一息つく。束の間ながら、"One Fine Day"を感じていられるゆとりに感謝。
正直に言ってしまうと、ボクにとってのター坊というのは、80年代初頭で終わっていた。彼女の出世作となった、いわゆるヨーロピアン三部作が、ボクのイメージする大貫妙子像とはズレていたからである。もちろん作品としてはどれも良く出来ているし、まさに彼女の個性を確立した重要期間なのは疑う余地ナシ。すなわち、すべてはボク個人の好みの問題なのだ。だからそれ以降の作品は熱心に聴いたワケではないし、すべて自分で押さえたわけでもない。
 ところが、ふと耳にした02年のアルバム『note』がジャスト・フィット。どうも山弦あたりを中心に据えたナチュラルなアコースティック・フレイヴァーが、カナザワの心の琴線を揺らしてしまったようなのである。「そうそう、ター坊はこうした自然体が一番なのさ」なんて、さも分かった風に言ってみたりして。

だからこの新作も、音をもらって即ヤラレました。音のイメージは、まさにタイトル通り。日だまりの中で、すべての神経を弛緩させてぽわわぁ〜んと聴きたい。でもそれでいて彼女の声にピーンと張り詰めた空気感があるから、100%ゆるゆるグズグズにはならない。とにかく、なんだか時間の流れがゆっくりと感じられるようなアルバム。『GREY SKIES』や『SUN SHOWER』の頃のようなサウンド面のカッコ良さとは無縁だけれど、カナザワ的には、もしかするとター坊の中で一番大切にしたい作品になるかも。

お休みの日の午前中、あったかなコーヒーの香りと愛する人の笑顔、そしてこのアルバム。うん、幸せ気分が満喫できること間違いナシ。