beafd9d5.jpgカヴァーを見れば一目瞭然。このヴィニール・キングスはビートルズのオマージュをやっているバンドで、これがセカンド。実はアルバムを購入しただけで、もう2ヶ月近くも聴かずにCDの山に埋もれていたのだけれど、国内盤がないにも関わらず某誌が新作レビュー・ページのトップに持ってきたので、慌てて聴いてみた。そうしたら、こりゃあビックリ! 1枚目の時には如何にもベテラン・ミュージシャンのお遊びユニットといった風情だったのに、いつの間にか本格的なバンドらしくなってるでないの!
そもそもこのバンドを聴くキッカケは、なかなかなメンツの取り合わせに惹かれたから。ビートルズ・オマージュのバンドをAORにカテゴライズしたのも、それが理由である。だってかのラリー・リーとジム・フォトグロが一緒にバンドを組んでるのだから。さらにポップ・カントリー系のプロデューサーとして実績のあるジョシュ・レオに、ナッシュヴィルきっての名ベーシスト:マイケル・ローズまで在籍してるとなれば、フリークが放っておけるハズがない。ちなみにジョシュはティモシー・シュミットの1stも手掛けていたし、それ以前はマーク・ゴールデンバーグと一緒にバンドを組んでたことも。最近引く手数多のマイケル・ローズは、特にスティーヴ・ウィンウッドとの仕事が印象的だった。

そんな彼らのセカンドは、もはや単なるビートルズのオマージュという段階を通り越し、良質な60'sポップスをバンドのアイデンティティとして確立させてしまった感がある。今回、特に感じられるのはビーチ・ボーイズからの影響。オープニングのタイトル・チューンなんて、ビートルズとビーチ・ボーイズ、ELO、10CC、クイーンあたりが束になって掛かってきたみたいだ。<Rain>を思わせる2曲目、<Strawberry Fields Forever>をモチーフにした3曲目は、同じようにビートルズ・オマージュをやったトッド・ラングレンと共通するヘヴィーネスがある。某誌レビューでも触れられていた通り、ジョンとポールそれぞれのインフルエンスが程よくミックスされ、一曲の中にいろいろな要素が同居しているのだ。それこそジョージのカラーもアチコチに窺えるし。だから何処かジェフ・リンのプロデュース作品のような雰囲気があるのだな。しかもそこにビーチ・ボーイズやホリーズが加わるわけで、こりゃあ堪らん!! 

とりわけカナザワがヤラレちゃったのは、今回唯一のフォトグロ作品となる<Pray For Peace>なる曲。ベースのフレーズから察するに、基本モチーフは<Come Together>だけれど、黒っぽいグルーヴは次第にソウル感覚を押し出して、いつしかマーヴィン・ゲイへのリスペクトへと擦り変わっていく。曲は当然<What's Going On>。両方の曲が完全に一体化した後半部は、まさに圧巻だ。

他にもビーチ・ボーイズやイクイノックス周辺人脈の一員で、AOR的にはジョー・シャーメイ・バンドへの参加で知られるジョン・ホッブス(kyd)、ビリー・ヴェラ&ビーターズやブルース・ホーンズビー&レインジに在籍したジョージ・マリネリ(g)らの存在が気になるトコロ。けれど何よりベテラン・ミュージシャンたちの本気印の遊びっぷりが、ボクの心を熱くしてくれる。もし興味が持てたら、Vinyl Kingsのサイト、もしくはCD Babyにある彼らのページに是非アクセス!