2eaccff9.jpg午後、車に乗って出掛けたら、何とも爽快な一日。Tシャツ一枚でちょうど良いくらいの暑さで、湿度が低いのか、やたらと気持ちが良い。まさに行楽日和ですな。そんな時に聴くとドンピシャ★なのがオーリアンズ。伸びやかなハーモニーとドライなサウンドが爽やかさを運ぶのだ。ま、裸の男たちがピッタリ寄り添うジャケだけは、あんまし爽やかじゃないケド(苦笑)
オーリアンズといえば、すぐに<Dance With Me>を思い出す人が多いんじゃないかと思うが、アレはこのアルバムのひとつ前『LET THERE BE MUSIC(歌こそすべて)』から生まれたヒット。ただしこの曲には、チョッとした曰くがある。元々<Dance With Me>は、74年にABCレーベルからリリースされるはずだった2ndアルバムのタイトル・チューンになる予定だったのだ。しかし何故か発売直前にお蔵入り(後にリリース)。ABCとモメたオーリアンズはAsylumへ移籍し、お蔵入りした<Dance With Me>と<Let There Be Music>の新録を含むニュー・アルバム『LET THERE BE MUSIC』を発売する。だからホントは<Dance With Me>の新録ヴァージョンがポピュラーなはずだけど、AOR系のコンピレーション盤などでよく耳にするのは、逆にABCのオリジナル・バージョン。アレンジには大きな違いはないものの、何だかモヤモヤの残るエピソードではある。

また、このアルバムから飛び出した軽快なシャッフル・ナンバー<Still The One>。この曲は全米5位をマークする大ヒットになり、全米に於けるオーリアンズの人気を決定づけた。ちなみに5位ランキングは、<Dance With Me>を上回る最大のヒット。なのに代表曲の座を奪われ、コチラでも「?」なコトになっている。

さらに、リック・マロッタの弟ジェリーがセカンド・ドラマーとして加入したのがココから。マルチ・タレントを持つオリジナル・ドラマー:ウェルズ・ケリーをセットから解放してやるのが目的だったようである。ゲストにはマイケル・ブレッカーやリンダ・ロンシュタットの名も。しかし本作で人気・実力共にピークを迎えたというのに、突然中心人物のジョン・ホールが脱退し、ソロへ転向。オーリアンズがメンバー補充し活動再開するまでには、約3年の時を要することになる。もっともジョンは後年、再びラリー&ランスのホッペン兄弟と手を結び、オーリンアズとして活動するのだが。でも彼らが一番輝いてたのは、ちょうどこのAsylum期の76〜76年であることは、ファンの多くが頷いてくれるだろう。

あ、そうそう、オーリアンズってウエストコーストのバンドと思われがちだけど、結成はニューヨーク郊外のウッドストック。バンド名は南部の音楽都市ニューオリンズに由来している。だからホントは“オーリンズ”と読むのが正解。でも日本ではもうすっかり“オーリアンズ”。ファンはみんなそれを知りながら、慣例?にならってオーリアンズと呼ぶ。

まぁ世間には、いろいろ納得しがたいことが少なくないようで…。