381f211f.jpg実に気持ち良く晴れ渡った一日。今日はしばし仕事から離れて、車で台場方面へ。何となくゴールデン・ウィークっぽい雰囲気。ちょっと目に付いたのでキャリングケースに投げ込んだアル・ジャロウが、ひと際心地よく聴こえる。近未来的な都市空間だけに、『風のメルヘン』なんて邦題が持つお伽噺的なイメージには似合わないけれど…。
そもそもアル・ジャロウといえば、一連のジェイ・グレイドン・プロデュースのアルバム群の中から、『THIS TIME』『BREAKIN' AWAY』『JARREAU』あたりを代表作に選ぶのが常。ボクも作品としてはヒット曲が生まれた『BREAKIN' AWAY』をチョイスするコトが多いし、楽曲単位ならば黙って<Mornin'>になる。ヴォーカル・パフォーマンス的に選ぶなら、チック・コリアのカヴァー<Spain>とか。

しかし、ここ数年で評価が高くなったのが、『GLOW(輝き)』やこの『風のメルヘン』。いわゆるレア・グルーヴ〜フリーソウル方面で持ち上げられたのが原因だ。実際こうして久し振りに聴き直してみると、緻密さや完成度ではグレイドン絡みの作品に劣るとは言え、彼の持ち味である朗らかさは、むしろコチラの方が上手く表現されている気がする。うーむ、さすがはアル・シュミット。エンジニアの彼が制作全般を担った作品も、結構珍しいカモ。

白眉はケニー・ロギンズの名曲カヴァー<Wait A Litte While>、それにEarth Wind & Fire張りのリフを持つ<All>も。何とも春らしい、ドリーミーな好盤。