becd5a9e.jpg今月末発売のジェフ・ベックの最新ライヴ盤を、某誌レビューのためにひと足お先に試聴。とはいえ、米ソニーのサイトで限定発売されていたオフィシャル・ブートレグ的作品なので、熱心なファンの人は既に聴いてるかも。そんなアルバムが、来月の来日公演の記念盤として、日本でのみ正規リリースと相成ったのだ。
実際にCD-Rが届いてから、もう何度も聴いてるのだけれど、とにかく圧巻で、ブッ飛んでいて、レビューしようにも在り来たりのセリフしか出てこない。困った…。いろいろドタバタしてる中、ペン(正確にはキーボードだけど)が進まず昨日もタイム・リミットに。実は前から、かなり濃ゆい5人で飲もうという約束があったのだ。そのメンツとは、レコード会社の人間×2、バイヤー、業界誌エディターとカナザワの5人。齢はみんなボクより若いが、現場トップみたいな要職についてる人もいて、これがなかなか面白かった。最初は恵比寿のロック・バーに行ったが、あまりにコアな話や業界ウラ話が飛び交うモンだから、店の人や他の客が「アイツら何者?」と思っていたらしい。イヤ、ボクらはただの“明るい音楽オタク”なんですケド…(苦笑)
で、終電で帰宅して、ザンブと風呂に入って、酔いを覚まして原稿書くはずが、ベットにゴロンと寝そべって資料を読んでたら……、いつのまにか朝! 最近このパターン多いんです(汗)

閑話休題、ベックの話である。ボクはレココレ誌のベック特集を書かせてもらったくらいだから、もちろん彼は大好きなのだが、ぶっちゃけ『GUITAR SHOP』以降のインダストリアル〜デジタル・ロック路線には今イチ馴染めないでいた。ベックのギター・プレイの指向性は変わっちゃいないし、相変らず凄いコトやってるなぁ、とは思うが、ちぃっとテンションがキツ過ぎてトゥ・マッチに感じていたのだ。そう、むかし仲間と酔っぱらってストリップを観に行ったら、花電車をやっていて、そのワザの凄さにビックリしたけど、全然エロくなかったのと似ている(分かる人だけ笑って下さい)。
だからこのライヴ・アルバムにも大きな期待を持てず、わりかしニュートラルに接したのだ。ところがコレが、かなりキテたわけで。

編成はベックとテリー・ボジオ(ds)、トニー・ハイマス(kyd)という最強パワー・トリオ。なのでカナザワ的には、意識の半分くらいはボジオに向かうはずだった。UKのライヴを前から3列目で観た時の衝撃は凄かったからね。ところがCDを廻した途端、耳を劈くようなベックのギターに釘付けになった。スタジオ盤みたいに音の厚みがない分、ギターの音がクッキリ聴こえるし、臨場感があるというか、生身の人間がやってます、という躍動感が漲っている。だからボクの耳にも自然にフィットした。オフィシャル・ブートレグというくらいだから、当然オーヴァーダブも編集もなく荒っぽいまま。曲順もセットリストのままらしい。近年多用してるスライドにしても、音程なんてフラフラなのに、それが妙にカッコ良く聴こえる。一番キテたのは、お馴染み<Scatterbrain>。もしこのライヴ盤を買うかどうか迷ったら、是非何処かの試聴機でこの曲を聴いて下さい。まさに脳ミソ飛び散りますぞ!!

B.B.A.のライヴも、ヤン・ハマーと組んだ『ライヴ・ワイアー』も、ずっとスゴイと思ってきた。でも、ココでのベックのかっ飛び方は尋常じゃない。うぅ、来日メンバーはヴィニー・カリウタがドラムだというし、チケット買わなかったのは大誤算じゃぁ〜(泣)