227444e1.jpgずっとテンパリ状態だった仕事も、ようやく先が見えてきて、あと一両日踏ん張ればいつものペースに戻れそう。けれど、どうも仕事に身が入らないというか…。やっぱり何処かにルーサーが死んだショックを引きずってるのかな。そう落ち込んじゃいないし、何か生活が変わるわけでもないけれど、集中力を欠いてるのは確かなようだ。なので今日も何度かルーサーのアルバムを引っ張り出した。
これは、彼が82年に出したセカンド。リリースされた当時は、デビュー盤『NEVER TOO MUCH』に比べてスゴイ地味な感じがして、あまりピーンと来なかった。それでもサム・クックの曲に手を加えた<Bad Boy/Having A Party>のアイディアには唸ったし、テンプスのカヴァー<Since I Lost My Baby>にもメロメロ。マーカス・ミラーとのコンビが鉄壁になったのも、かのヨギ・ホートンがブレーンに加わるのも、ココからだ。それでも全曲ミラクルの前作には遠く及ばない、と思っていた。
ところがある日、自分のルーサーに対する見方が間違っていたことに気づく。当たり前といえばこれほど当たり前のことはないのだが、ルーサーはまず最初にシンガーなのだ。それなのに僕は、あのファーストのスタイリッシュなサウンドに心酔するあまり、いつの間にかルーサーをサウンド・クリエイター/プロデューサーと勘違いしていた。でもそれに気づいてからは、これもルーサーなのだ、と心から納得することができた。そりゃあ『NEVER TOO MUCH』のようなインパクトはないけど、聴くほどに味わいが増すスルメ的アルバム。カナザワにとってのルーサーNo.2は、このアルバムです。

それにしても54歳で死んじゃうとは、返すがえすも残念無念…。ジャム&ルイス制作によるトリビュート作も作られるようですが、個人的にはヴォーカル・グループ“LUTHER”の2枚を是非リイシューしてほしい。あれ、カナザワが以前監修した“ブラコン探検隊”(ウッ、恥ずかしい名ぢゃ…)で出す予定だったが、もうCotillion Labelに権利がないことが発覚し、断念せざるを得なかった。どうもルーサー自身がマスターを買い戻したということだったらしいけど、真相はよく分からない。これから未発表曲や秘蔵ライヴみたいな音源が出てきたりするのだろうが、それよりもまず"LUTHER"でしょ!

でも死んでから“再評価”されたってねぇ…。10年くらい前、カーペンターズがブームになった時、「カーペンターズの来日公演は?」っていう問い合わせが殺到したそうだけど、その時はもう、生の歌声は聴けないのだよ…(泣)