c9d13142.jpgもうすぐ2枚組のベスト・アルバム 『YUJI OHNO, YOU & EXPLOSION BAND - MADE IN Y.O.』がリリースされるので、先月インタビュー取材をさせていただいた。それを数日前、原稿にまとめながら聴いたのが本作。すぐにアップしようと思っていたら、突然ルーサーの訃報が飛び込んで、それどころじゃなくなっちゃった。仕事的にも窮地から脱したので、改めて仕切り直し、というコトで。
自ら書いた『ルパン三世』の曲をジャズでカヴァーする『LUPIN THE THIRD JAZZ』シリーズが人気を得ているけれど、大野さんのいわゆるフュージョン・アルバムは、残念ながら未CD化のままになっている。それが78年のこれ『SPACE KID』であり、83年に"YOU & EXPLOSION BAND"名義でリリースした『フルコース』だ。

特に今の時代感覚にマッチしそうなのが『SPACE KID』。転がるようなエレピと音色といい、思わず腰が動いてしまいそうなグルーヴといい、ゲストで歌ってるソニア・ローザのトロけるロリータ・ヴォイスといい、もう空前絶後、両手に花! これをCD化しないのは、もう犯罪に等しいぞ。我らがガイド本『LIGHT MELLOW 和モノ669』では、執筆陣の栗本某(現在南米各地を徘徊中)が「とても映像的」と書いているが、まさにその通り。実際に話を聞いたら、CMとかサントラをやり過ぎたせいか、まったく自由に書くより、幾つかモチーフを与えられた方が曲を作りやすい、と言っていた。だからきっと何か想定するイメージがあって、それに曲をつける感覚で書いたのだろう。さすが我がスタッフ、なかなか読みが鋭いっス! それに比べると、『フルコース』の方はキャラがハッキリしてた気がする。要するに、和製シャカタクね。

今度出るベストは、ルパンを含め、大野さんの30年をひと括りにしたリメイク・ベスト。『人間の証明』『野性の証明』『犬神家の一族』という角川映画の主題歌はもちろん、『水もれ甲介』なんて懐かしい曲も。主演は石立鉄夫だっけねぇ。あと以前TVを見ていて、「へぇー、これも大野雄二なんだ!」と感嘆したNHK『小さな旅』のテーマとか。もちろん『SPACE KID』『フルコース』からのチョイスもあり、これは比較的オリジナルに近いアレンジのまま新録されてる。みんな知ってる曲は大胆にアレンジし、こうしたレア曲はオリジナルに近く。大野さん、実はかなりサービス精神旺盛な方で、相手のニーズをしっかり見極め、欲しいモノをポンと出してくれる。これぞまさにプロ中のプロですよ!