113e5a9d.jpg新たなるコンピ盤の制作依頼を受け、ノラ・ジョーンズやらこのダイアナ・クラールのような、ポップ・ジャズ・ヴォーカル曲を聴き漁っている。ボクはジャック・ジョンソンは現代版AORのひとつだと捉えているし、ノラ・ジョーンズみたいなのも現代版AORのもっともスタイリッシュな形だと思っている。だから、今の大人のポップス・ファンに向けたジャジーなソフト・ヴォーカル、というコンセプトは、大いに賛同するところなのだ。
だいたいAORなんて、全盛期を考えただけでも千差万別・十人十色。TOTOとマイケル・フランクスを一緒に語るなんて、そのサウンド・スタイルを考えたら、あまりに乱暴なコトだ。しかしそれを大人のポップスとして広く捉えるから、同列にできるわけ。そしてそのマイケル・フランクス方面を拡大解釈していけば、ノラは充分ココに当てはまるし、ダイアナはもう一歩だけジャズ寄りに位置付けられる。いわゆる正統的なジャズではなくクロスオーヴァー系ヴォーカルもの、とでも言うか。だからクレモンティーヌはもちろん、スイング・アウト・シスターやエヴリシング・バット・ザ・ガールあたりだって、ココにハマる曲は少なくない。実際EBTGとこのダイアナのアルバムは、トミー・リピューマのプロデュースという共通点もある。そういえば、某誌にレビュー原稿を書いたばかりポール・ハンフリー(ds)のソロ作再発も、同じくリピューマのブルー・サムものでした。なんか偶然にもリピューマづいてるなぁ。まぁ、このコンピの内容に関しては、もうしばらくお待ちを。

でも、こうして嬉しいお仕事を頂戴する一方で、業界にはびこる古い思考に翻弄される出来事もあって、どうにも納得できないというか、憤まんやる方ないというか。詳しくは明かせないが、某メーカーからのお声掛かりで音楽ファンを喜ばせたいと画策し、周囲の皆さんから好評を得て進めていたことが、別の方面から「待った!」がかかるという図式である。それも結構些細なところを突いてきて。配信だ何だと業界が激動している時に、パッケージを手掛ける者はどんどん新しい企画や提案をしなけりゃならない。最近出た“でかジャケCD”だって、モノ自体への賛否はあったとしても、新しい購買層を開拓しようというメーカーのスタンスは素晴らしいと思うのだ。それなのに、アレはダメ、コレはダメ、と言われてガンジガラメにされたらねぇ。まるで今の郵政改革みたい。いや実際、古い体質と新しい体質がぶつかり合う今の音楽業界は、分裂してる自民党と似てるトコありますよ。

なーんて熱い憤りを、このコンピの選曲でクールダウンしてたりして。…にしても、ダイアナ嬢はイイですな。ノラの無垢な感じとは違って、大人のオンナっぷりを発揮してる。確かにブックレットを見ていて、美しいパツキンを掻き上げると意外と馬面、なんていう余計な発見もあるが(苦笑)、トレー側にインサートされてるお御足のアップを見ていると、思わず舌を這わせてみたい!と思っちゃう。バカヤロー、エルヴィス・コステロ、羨まし過ぎるぞ!