f6aed311.jpg約10年ぶりの新作が、近々BLUE NOTEから出るらしいアニタ・ベイカー。80年代のクワイエット・ストーム旋風の立役者だった彼女をスムース・ジャズ・シーンが放っておくはずがない、と思っていたら、案の定、Nora Jonesを当てたBLUE NOTEが動いていたようデス。となると、出てくる音も何となく見えているような気がするが(苦笑)

で、その前に、全盛期だった87〜89年のライヴ音源を集めたアルバムがRhinoから出た。内容は、既発のビデオ音源と日本で発売されていたミニライヴ盤、英国でシングル発売されていたヴァン・モリスンのカヴァー<Moondance>。ライヴだからどう、というシンガーではないので、それほど新鮮味はないが、ジャジーにアレンジされた<Moondance>はなかなか興味深かった。

彼女のステージは、一度だけ“Eatrh Voice”というイベント形式のライヴで観たことがある。正直、それほど歌が上手い人ではなかったけれど、ムード満点の楽曲とは裏腹に、かなりオバサン入ったMCやステージングが微笑ましく、親しみが持てた。もっともこのライヴ盤ではそうしたキャラを窺うことはできないけれど、その実像は、彼女の歌の世界ほど気取ってはいない。

そうそう、バックにはボビー・ライル、ジェラルド・アルブライト、故ギャリー・グレンなど、かなり豪華。すっかりサックス奏者になったジェラルドは、アニタのバンドではベース兼任だったんだよねぇ。