ba70778b.gifAORに近づく以前の、スワンピーなセカンドが英米で相次いでCD化。この時期のジャッキー・ロマックスだとウッドストック人脈で作り上げた次作『THREE』が有名で、逸早く“名盤探検隊”のシリーズでCD化されている。でもロンドンからウッドストックへ移ったのは、このアルバムが出る前の70年。それで『HOME IS IN MY HEAD』なワケだ。日本流に言えば、故郷は遠きにありて思うもの…ってトコロか。
つまりそこにあるのは郷愁や望郷ではなく、いわば訣別宣言とでもいうか。ジャッキーの"Atlantic Crossing"はデイヴ・メイソンやエリック・クラプトンと同時期で、しかも彼らよりずっとファンキーな境地に達している。どっちかというと、スワンプというよりブルー・アイド・ソウル。ここにもラスカルズのブリガッティ兄弟が参加しているけど、それは必然的な出逢いだったのだろう。ジャッキーは決して歌のウマい人じゃないが、曲によってはゴキゲンなホーンを従え、かなりソウルフルに吠えてくれる。それでもエンジニアがエリオット・シャイナーだったり、ギターにブリン・ハワースが参加してたりして、のちにソフィスティケイトの波を受けてライトメロウになる要素が幾つか発見できる。

ところでコレ、ボクは某ショップの店頭にあった米Water盤を買ったのだが、あとで調べたら数日違いでリマスター/ボートラつきの英盤が出ていて、しかもそちらの方が安いじゃーないの!(泣) オマケに『THREE』のリマスターも一緒に出てる。まぁ店頭で見つけなきゃCD化されたのも気づかなかっただろうが、ちょっとダマされた気分。うーん、買い直すのも癪だしなぁ。

そういえば今日、数年ぶりに某編集者と顔合わせした。半月くらい前にサイト経由でメールが届き「会いたい」というのだ。そこで持ちかけられたのが、何か新しいガイド本を作ってもらえないか?ということ。でもカナザワ的にはAOR、ブラコン、和モノと出してるので、ジャンル的にはもうフュージョン系しか残っていない。でもいわゆる真っ当なフュージョン本を出しても、全然面白くない、と答えた。逆にどうすれば面白くなるかも分かっている。けれど、それにはボク自身ももう少し勉強とネタ集めが必要だし、実際に似たような本はもう出ている。あるいはこれまで出した本の周辺を再構築するのもアリかな。

まぁ、いろいろアイディアを出して、是非前向きに検討して下さい!ということでミーティング終了。でも一番の問題は、内容よりも、ガイド本を作るだけの時間がキープできるか?ということ。もう一人で一冊書くのは無理っぽいし。とにかく話を頂戴してるうちが華なので、何とか形にしたいものだが……ふぅ〜。