2005年11月03日

■ CATCHING TALES / JAMIE CULLUM

2e6c0ffb.jpg映画『ブリジット・ジョーンズの日記』の主題歌となった<エヴァーラスティング・ラヴ>のヒットで一躍名を上げた、イギリスのポップ・ジャズ・シンガーの3作目。カナザワもこの曲は結構好きで、9月に出たコンピ『LIVING ROOM』の1曲目に使わせてもらっている(amazonの曲目リストは企画初期の古いモノです)。そんなところに、某誌の輸入盤レビューの仕事が回ってきた。



ジェイミー君といえば、歌やピアノのみならず、カワゆいルックスが受けてるのか、ヨーロッパを中心に大人気。それに映画がらみでヒット曲も出た。それなのに輸入盤?? 国内盤は出ないの? 

聴いてみれば、まさにノリにノッている風で、この新作全体からも やんちゃなパワーが迸っている。基本的にジャズに分類されちゃいるが、前作にもレディオヘッドのカヴァーがあったように、そのスタンスは自由奔放で如何にも現代っ子。スタンダードがなければ、果たしてジャズ・シンガーと呼ばれてたかどうかも疑問だ。ココでもアラン・トゥーサンやTHE DOVESのカヴァー、ゴリラズとのコラボレイションなど、多彩で屈託ない素顔を見せている。こうしたセンスは、日本のオトナの女性たちにも必ず受け入れられると思うのだが…。特に今度はオリジナル曲が多く、作曲にも自信を深めた様子。ジェイミー君、イヤイヤしっかりと成長の跡を感じさせる。

それなのに、国内盤が出ない。いや、レコード会社にしてみれば、売り上げが見込めないから出せない、といったところか。それじゃあ何だか“戦わずして破れる”というか、頭の固い日本市場を前に敵前逃亡したみたいなモン。でもそれって、メーカーだけの責任ではなく、メディア、バイヤー、リスナー、すべての共同責任というか、悪行連鎖だと思う。分かりやすく言えば、広告が取れなきゃ紹介しないメディア、画一的な売り場展開しかできないバイヤー、そして与えられた情報だけで満足してしまうリスナー、重箱のスミに固まるマニアとね。

特に現在、一番のキーを握るのがバイヤーとかCDショップ。一般的にはネット通販に押されてジリ貧と言われるけど、実はそこにチャンスが潜んでいるのが分からないかなぁ。簡単に言えば、ネット・ショップが出来ないような展開を考えればイイのだ。一例を挙げると、ネット・ショップではアーティスト情報がなければ検索できない、ってこと。カナザワのように、どんな新譜が出たかな?なんてリサーチするには、まったくもって使えないのだ。だからボクは今も定期的に、ショップの棚のA〜Zをくまなくチェックし、面出しされないような新作や再発モノを買っている。

そもそも今のショップは、大人のリスナーに優しくない。年に数えるほどしかショップに行かないような人間には超難解な売り場構成だし、雑食リスナーにとってはエレベーターを上がったり下ったりと不便なこと、このうえナシ。それでカードで買おうと思ったら、フロアごとに会計とか。まるで殿様商売。ざけんじゃないよ! 大型書店だって、ビル全体でレジはすべて1階に集中みたいな工夫をしてるのにね。それに店員教育もなってない。知識が未熟なのは勉強すればイイけど、客を押しのけながら在庫拡充するってのは、どういう了見なんだろう。特権意識でもあるのかね? ホント邪魔で仕方ないから、いつか蹴っ飛ばしてやろうかと思っちゃう。だって一般の客商売じゃ考えられないっしょ! 普通は客が移動するのを待つもんだよ。

それでも、外資系の大型ショップはわりと勉強してるし、頑張ってるのは確か。でも地方は壊滅的。再販制度に安住してて、売る努力を怠ってきたツケが出た。メーカーが売れるモノを作れなくなった今、その余波がモロにショップに押し寄せている。ネット・ショップの天下はなるべくしてなったのだ。でもショップにしかできないコトは、まだある。それを追求しなければ、音楽市場に明るい未来なんてやってこない。

なんか紋切り型になっちゃけど、ジェイミー君の『CATCHING TALES』みたいに気楽に楽しめるイイ作品をリリースできない音楽マーケットなんて、あまりに悲しすぎるよ。

lightmellow at 23:50 │Comments(0)TrackBack(0)clip!Crossover / Fusion 

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