2005年11月16日

■ GUILTY PLEASURES / BARBRA STREISAND

ca32c5d7.jpgいつも最高級のアダルト・ポップスを聴かせてくれるバーブラだけど、あまりにオーソドックスというか、メインストリームまっしぐらの姿勢に、なかなか馴染めないでいた。中高生の頃はロック少年でそれなりに反抗的な態度を取っていたから、こうした良家の教養みたいな洋楽ポップスには拒否反応があったのだ。

カーペンターズとかエルトン・ジョンあたりをマトモに聴くようになったのも、意外と遅かった。「バカヤロー、カーペンターズなんて軟弱なの、オレ様が聴けると思ってるのかぁ!」って。でも<Yesterday Once More>とか<Your Song>とか、<Goodbye Yellow Brickroad>なんてぇのは当時から好きだったけど。さすが今はそんなコトはないが、あまりにコンサバティヴなアーティストは少し軽く見てしまう傾向は抜けていない。

それでもバーブラのパーフェクトな作品には敬意を持って接してきたし、客観的にみてスゴイと思う。その見直すキッカケとなったのが、25年前の名作『ギルティ』だった。特に大ヒットした<Woman In Love>は、国内外でパクられまくるほど上手く作られたナンバーだったと思う。デュエットの多い彼女にしても、あそこまで濃密な関係を築いたのはバリー・ギブだけだったはずだ。まぁ実際はバリーが作ったオケにバーブラが乗っただけだったらしいけど、完璧主義の彼女だけに、そうでもしなけりゃアルバムは完成を見なかったに違いない。

そうした間柄だったから、バーブラが再び「誰かと共演しよう」と思い立ったとき、真っ先にバリーにコンタクトを取ったのは頷ける。しかも今回は、2人でディスカッションを重ねながら仕上げられた。アーティストとして、それだけ大人になったというか、精神的な余裕が出たのだろう。ジャケットが純白から黒に変わったのも、おデブになったバリーの体の線を隠すためらしいが、でもなんか「もう僕たちは何色にも染められないよ」というメッセージのようにも受け取れる。

さすがに製作中は多少衝突もあったらしいが、それも含めて楽しいセッションだったとバーブラ。確かに派手さはないものの、実に落ち着いた、よくできたアルバムになっている。『ギルティー・プレジャーズ』というタイトルも、いかにもそれっぽい。こうした作品はいつも聴いていたいとは思わないけれど、なぜかゴージャスな気分を味わいたい時ってあるものだと思うよ。


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