ab's_newAB'S@渋谷DUO。夏前に行われたクロスオーヴァー・ジャパン以来となるAB'Sのライヴ参戦だけれど、活動状況は至って順調な様子。ツアーの前にはアルバム『NEW』もリリースされた。これは再結成後2枚のアルバムで、通算では6枚目。でもクロスオーヴァー・ジャパンの時にも新曲3曲を収めた『SINGLE』を出していたから、リリースとしては何と半年ぶりという早いペースになる。
で、このニュー・アルバム、まずは彼らのサイトとライヴ会場にて先行発売。カナザワものこの日、ライヴ会場で買い求めた。だからライヴで新曲を初めて耳にし、帰りの車でCDを聴き…。そして家でじっくり聴き直してみると、コレがなかなか。オビのキャッチにも"これが日本のA.O.R.だ”とある。そこでライヴのMCでは、ステージ上で“A.O.R.ってなに?”(渡辺直樹氏) “えーと、アホなオヤジのロック!”(芳野藤丸氏)なんていうギャグがあったりして。

そもそもAB'SのサウンドはUK風の畳み込むようなジャズ・ファンクが基調で、そこに藤丸氏のウエストコースト・ロック風味が入って間口を広げてる印象があった。しかし今回は確かにA.O.R.色が強くなっており、サウンドもやや軽めでブライトな感覚。アルバムのテーマも「ポップ」だったという。アレンジでもロックっぽい曲が増えたし、時々TOTO風のアンサンブルが覗いたり。クロスオーヴァー・ジャパンから参加したKydの山田秀俊氏の曲なんて、モロにそう。だいたいKydの音色がそれっぽいもんね。今まで聴けなかったようなシャッフル・チューンがあるし、珍しくツイン・リードが聴けたりもする。ただ「ポップ」とはいっても、あくまでAB'S的なポップさではあるのだけど。

だから個人的にはすぐに馴染んでしまう。でももっと広いマーケットを狙うのであれば、やっぱり曲がちょっと弱いかなぁ…。メンバーが民主的に曲を持ち寄っているが、もし本気でメジャーで勝負したいなら、プロデューサーを招いたり曲を外注するなり、ちょっとした改革が必要かも。いずれにせよ、客観的な立場から意見を言えるヒトがいた方が良いと思うのだ。ま、従来のAB'Sファンにはこれでも充分…というか、かなり気に入ってるんですケド(苦笑)