ff201dc5.jpgこの土・日はほとんど音楽から離れ、9割がたリフォームが終了した家の後片づけに没頭。これであと残るは外壕工事くらいか。でもレコード部屋の整理を終わらせるには、どこかでもう一日確保しないと…。というわけで、本日は締切が迫ってきたライナー書きに専念。あのVernon Burchの定番ダンス・クラシックをフィーチャーしたアルバム『GET UP』(78年)が間もなく初CD化されるので、朝からVernon三昧なのだ。

でも正直いうと、カナザワがVernonの魅力に気づいたのは、結構あとになってから。ぶっちゃけ、フリー・ソウルで彼のセカンド『WHEN I GET BACK HOME』(77年)がネタにされて、である。そこでVernonのStevie Wonderへの傾倒ぶりを目の(耳の?)当たりにし、「ほう、コレはコレは…」と相成った。
もちろん<Get Up>はディスコ・ヒットとして知っていて、例のインパクトあるサビとブレイク、フリーフォール(@サマーランド)みたいなヒュ〜〜〜という落下音に、こりゃ受けるわ!と思っていた。だから、たまたま安価で見つけたコチラのアルバムを買ってみたけど、どうも印象が今イチ良くない。可もなく不可もなくって感じで、「なぁんだ、普通のディスコじゃん」と思ってしまった。
しかも次に耳にしたのが、隣町の貸しレコ屋で見つけた『PLAYING HARD TO GET』(82年)。それを聴いて「もうこの人は追わなくていいや」ナドなどと…。まぁ、いま聴くと、バラードが完全にStevieしていて微笑ましいけど、その頃は「初期作はもっとStevieしてる」なんてコトはつゆ知らず、これも平均的ダンス・アルバムと判断してしまった。早い話、完全に入り口を間違えたってワケ。

そうしたStevie Followerぶりとディスコはやりの間で巧みにバランスを保ったのが、今回CDになる『GET UP』。ところが次作に当たるコチラの『STEPPIN' OUT』は、<Get Up>がウケたためか、ダンス路線に偏り気味なのだ。もうジャケからして、何だかなぁ…である。プロデュースは同じJames Gadson、アレンジにはシカゴの重鎮Richard Evansも。つまり、どちらもL.A.経由のモダン・ノーザン・ソウルが聴けるから、その筋のファンであれば決してハズレではないだろう。ただ如何せん<Get Up>が強力すぎて、こちらのアルバムの楽曲は完全に霞んでしまう。

だから今なら、まずは『GET UP』のアルバムから入り、そのあと初期3作に手を染めるのが、正しいVernonの聴き方といえる。やっぱり中途半端に時流を意識した作品は、時の流れを乗り越えられず、すぐに風化してしまうもののようだ。

なお、肝心の『GET UP』アルバムの詳細は、またCDが出たあとにでも…