615a15c7.jpg南アフリカで人気を得ていたらしい、謎のジャズ/ロック/ファンク・グループ Pacific Express。フリーソウル界隈で騒がれ、AORっぽさのあるマリン度の高いホワイト・ファンク系グループらしいと知り、結構長い間アナログ盤を探していた。でもやっぱり激レアみたいで。そりゃあ南アフリカ産だったら、日本に入ってる絶対数が少ないわな。海外オークションでもあまり登場しないお国だしね。


ところが先日、某ショップでなんとこのベスト盤に遭遇。え〜〜ッ、CDなんて出てたのぉ〜、聞いてないヨォ〜! しかもコチラが Anthology Part 1なわけで、当然 Part.2も一緒に並んでいた。どうも99〜00年にかけて、本国で順次リリースされていたらしい。

とりあえずは詳しいプロフィールなどは不明なのだが。ジャケやインナーのフォトでは、黒人メンバーやホーン・セクションを擁する7人編成。ただそのメンバーには15人ほどの名前がクレジットされている。相当メンバー・チェンジが激しかったのかね? まぁ70年代の南アのバンドだから、人種隔離政策とかいろいろあったはずで、黒人メンバーがいただけで困難なコトがたくさんあったのは容易に想像できるなぁ。…なんて思いつつ、メンバーの名前を眺めていたら、ゲゲ! Jonathan Butler発見。あぁ、確かに写真の黒人さん、彼っぽいわ。慌てて作曲クレジットを確認したら、収録曲の半数はBulterの作品。残りはKydのChris Schilderがほとんどだから、実質的な双頭バンドだったのかしらね。でもバンドの正体発覚で、この心地良いグルーヴと甘美なメロディーの謎が解けた。

でもクラブ方面のヤツには、そんなことはでんでん虫、イヤ全然無視。でもこうした謎解きって、音楽の連鎖を知る上ではすごく面白いんだけど。Butlerの国内デビュー盤のライナーを確認したらシッカリPacific Expressの名前があったが、きっと実際に音を聴いてる人はButlerを知らないクラブ系の連中ばかりなんだろうな…。