t.aoko_cti朝6時に家を出て、青木さんの告別式@鎌倉腰越満福寺 に列席。夥しい生花の数に、氏の人柄が偲ばれる。弔問に訪れたファンに加え、角松バンドの面々やミュージシャン仲間も多数来ていたが、誰もが一様にこわばった面持ち。ブッチャー浅野さんや梶原順さんと2〜3言葉を交わしたけれど、やっぱりみんな口が重い。目と目、軽い会釈で挨拶を交わす。そんな重苦しい空気の中、お堂の正面に据えられたスピーカーからは控え目に『DOUBLE FACE 』が流れていた。



焼香したあと、献花のところで、初めて青木さんの亡骸を目にした。なんだかずいぶん小さくなっちゃったな、青木さん。ご家族・ご親戚や友人たちならともかく、カナザワにとっての青木さんは、やっぱりステージに立ってベースを弾いていてこそ。こんな哀しい姿は見たくないよ。仕事絡みとはいえ全然知らない仲ではないから、こうして最後のお別れに来たけれど、ちょっとだけ後悔の気持ちも。亡くなったことは現実として受け止めるしかないが、記憶の中ではステージ上の勇姿のまま、終わらせてしまいたかった。これからはどうしても、たくさんの花に埋もれた小さな顔を思い出してしまう。自分が単なる青木ファンだったら、絶対にこの場には来たくない。もちろん、ココへ足を運ばずにはいられなかったファンの気持ちも理解できるけれど…。

そんなことを思っていたら、棺の前に角松の姿が。うつ向き加減のまま歯を食いしばり、カッ!と前を見てガッツポーズを取った角松。
「青木さんの遺志はオレが継ぐから…」 
力を込めた拳が、そう語りかけているように見えた。
出棺を見送る最後の曲は、今年大学生になった娘さんのために作った曲<Risa>。その明るいメロディーが、まるで「じゃあまた!」と笑顔で去っていくようで…


ただ、ココでひと言、書いておきたいことがある。
blogに書き込んでいただいたコメントによると、一部の角松ファンの間で、6/24の25周年ライヴが中止になるのでは?と危惧する声があるとか。
ざけんじゃねぇー!
一体お前らは今まで角松や青木さんの何を聴いてきたんだ? 何を感じてきたんだ?
「折角苦労してチケット手に入れたのに、中止になったらヤダなぁ〜」とか、そんな低次元のこと考えてるのか!? そりゃー亡くなったのがライヴ前日とかだったら、物理的に中止になった可能性もある。しかし角松のキャラを考えれば、逆に「青木さんのためにも、必ずやり遂げる!」と思うはず。ファンのみんなだって、何度となくそう言う姿に触れてきたはずじゃないのか。必ず気力を振り絞ってマイクに向かう、そういう男だ、角松は。ボクが"Show Must Go On"と書いたのは、Queen云々じゃなく、まさにこのコトだった。

それと、青木さんのいない角松バンドは考えられない…と涙に暮れているファンの方々へ。
熱心なファンならもう知ってると思うけど、角松の次のアルバム、ツアーに青木さんの参加予定はなかった。これは決して単なるスケジュールの問題じゃない。これから進むべき道を考え抜いた角松の選択だ。これが公になる前にコトが起きてしまったワケだけど、仮に青木さんが健在だったとしても、この夏には”青木さんのいない角松バンド”が現実のモノとなっていた。角松と青木さんはファミリーのような固い絆で結ばれながらも、互いに新しい道を模索し始めていたのである。それだけにこのタイミングの急逝は、何ともやりきれない気持ちが残るのだ。

さぁ、明日からは涙を拭いて歩いていこう。青木さんはみんなを楽しませるために、素敵な音楽を創っていたのだから…