2006年06月17日

■ SURPRISE / PAUL SIMON

1245c8c8.jpg先月の生みの苦しみが、そろそろ形になって出てきた。まずはレココレ誌のSantana。紙ジャケ化に乗じての特集だけれど、カナザワはその後のキャリアを追った【70年代末〜第2の黄金時代と言える現在までの軌跡】を担当させてもらった。週明けに出るアドリブ誌では、巻頭のMicheal Franksとそれに連携したAOR特集、それに角松ヒストリーの連載がスタート。そしてもうひとつ、ストレンジデイズ誌では、Paul Simon新作に絡むSimon & Garfunkle特集に参加している。是非ご覧下さい。



さて、そんなワケで、世間ではEnoとのコラボレイトに驚愕が集まっているPaul Simonの5年ぶりの新作『SURPRISE』。タイトルからしてビックリ!なわけだが、それはあくまでPaulとEnoのパブリック・イメージ上でのこと。ひと口で言って、フォークの人とグラム出身の組み合わせといったら、誰だって「!?」だろう。でも早くからエスニックなサウンドに目を向けていたPaulだから、きっとPeter GabrielやDavid Byrneにはシンパシーを抱いていたはず。そう考えれば、この邂逅は不思議でも何でもない。『GRACELAND』はともかく、『THE RHYTHM OF THE SAINTS』の風変わりな音響感覚には、「アッ!」と思う部分が少なくないのだ。

このアルバムのEnoの役割は、まさにそこ。クレジットも"SONIC LANDSCAPE by ENO"で、具体的にはElectronicsを担当している。だから音楽そのものは,まったくもってPaul Simon。パーカッションやら何やら、たくさんのミュージシャンを入れて完成させた『GRACELAND』『THE RHYTHM OF THE SAINTS』に対し、今回はそれをEnoのElectronicsに転嫁し、現代風のミニマムなサウンドに仕上げた感じだ。したがって聴感はすごく斬新でEnoっぽいけど、音楽そのものはPaulのままで変わっていない。そこが絶妙なのだ。

幼子の澄んだ眼差しを写したアートワークに象徴されるように、歌詞だっていつにも況してメッセージ色が強い。社会に対する危機感はもちろん、老いてきた自分にとまどう姿も描かれている。訳詞を読みながら聴くと、いちいちドキッ!とさせられることが多い。それをより効果的に届けるには、プリミティヴなサウンドではなく、今と未来を暗示する音が一番。なるほどEnoの起用は理にかなっている。

うーむ、このアルバム、もう少しジックリ聴く必要アリだな…。これからゲットする方は、是非訳詞付きの国内盤で!

lightmellow at 23:52 │Comments(1)TrackBack(0)clip!Pops  | New Release

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この記事へのコメント

1. Posted by ふり〜まん    2006年06月20日 00:52
このアルバムは『Hearts And Bones』以来、久々に「聴く」アルバムとなっております。それこそ「あーたは美しい!」や「ついてねぇ!」の方々のような作品、作ろうと思えば作れた筈。しかし敢えて背を向け、辛口インドカレーのような(ばく)ものを生み出しちゃったんですから、最初は驚嘆しました。
でも落ち着いて聴くと、久々にメロディ・メーカーとしての才能、戻っていますね。サウンドの表現法こそ180度違うけど、個人的にはあの『One Trick Pony』的な部分を感じます。

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