2006年06月18日
■ LAGOON & SUMMER BREEZE / 鈴木 茂
某誌レビューのため、間もなくリリースされる鈴木茂『LAGOON & SUMMER BREEZE』を試聴。これは昨年出た『BAND WAGON〜Perfect Edition』に続く、ご本人リマスタリング企画の第2弾である。その中味は、76年のセカンド・ソロ『LAGOON』と、その後のソロ作及びティン・パン・アレー作品からのセレクション。ウーム、これは買い!です…。『LAGOON』は『BAND WAGON』と並ぶ、茂さん自身のお気に入り作品。それは当時やりたかった音楽をそのままアルバムに詰め込んだからで、CTIやブルー・ノート、それにボサノヴァやサンバなどからの影響がストレートに出ている。ただ『BAND WAGON』とのギャップの大きさにファンがついていけず、当時は賛否両論を巻き起こしたとか。そりゃそうだろう、西海岸でLittle FeatやSantana周辺のミュージシャンと組んでグルーヴィーなバンド・サウンドを構築した『BAND WAGON』から僅か1年半で、こんなにソフトなポップ・アルバムを作っちゃったのだから。
でもよく調べれば茂さんの変化はもっと急進的で。それすなわち、名曲<ソバカスのある少女>である。これはティン・パン・アレーとして出した『キャラメル・ママ』に収録されていたのだから、『BAND WAGON』から半年程度でボサノヴァに入っていたわけだ。そういう直感で動くところが、いかにも鈴木茂、という気がする。
しかし『LAGOON』がアレンジャー/サウンド・クリエイターとしての彼の処女作になったのは間違いなく、これを機に彼はニュー・ミュージックや歌謡曲の世界で活躍することになるのだ。
レコーディングは、多くのアイランド・メロウ好盤を生んだ、かのSound Of Hawaiiと東京。ただしHawaiiでは気が弛みすぎて大部分は東京で録られた、なんて噂もチラホラ。とはいえ音のテイストは見事にリラックスしていて、メロウでシャレたリゾート・ポップの佇まいを聴かせる。<8部音符の詩>にNed Dohenyの<Valentine>を思い出すのは、決して自分だけではないだろう。
"SUMMER BREEZE"と名づけられた【Disc2】は、ソロ3作目『CAUTION!』、ちょんわ〜ポーズの4th『TELESCOPE』から各3曲、次の『COSMOS '51』から1曲、そして前述『キャラメル・ママ』から2曲という全9曲。つまり『BAND WAGON〜Perfect Edition』とこの『LAGOON & SUMMER BREEZE』があれば、彼のPanam時代の重要な楽曲は、すべて本人リマスタリングの理想的サウンドで聴けるってワケ。時代が下がるとかなり歌謡ポップ的なアレンジになってくるのは、まぁご愛嬌というか…。物事を戦略的に考えるタイプではないから、その時その時の指向性がストレートに音に出る。そこが茂さんの魅力であり、またウィーク・ポイントでもあるんだな。
『BAND WAGON〜Perfect Edition』の時のインタビューで氏は、「ベース、ドラム、基本的な大切な楽器をさらにパワーアップして迫力のある音に変えたかった」と言っている。ただしそれはバンド・サウンドで作り上げた作品なればこそ。もっとカラフルで都会的なアプローチになっている『LAGOON』以降は、その言葉をありのまま当てはめることはできない。それでも低音域の音圧が上がっているのは確かだし、全体的に粒立ちのシッカリした聴きやすい音になっている。
『BAND WAGON』は鈴木茂が生み出した和製ロックの金字塔のひとつ。対して『LAGOON』は、もっとシティポップス〜ニューミュージック〜和製AOR的なスタンス。彼の音楽的変節は、日本のポップス・シーンが曲がり角に差し掛かっていたことを見事に象徴していた。
でもよく調べれば茂さんの変化はもっと急進的で。それすなわち、名曲<ソバカスのある少女>である。これはティン・パン・アレーとして出した『キャラメル・ママ』に収録されていたのだから、『BAND WAGON』から半年程度でボサノヴァに入っていたわけだ。そういう直感で動くところが、いかにも鈴木茂、という気がする。
しかし『LAGOON』がアレンジャー/サウンド・クリエイターとしての彼の処女作になったのは間違いなく、これを機に彼はニュー・ミュージックや歌謡曲の世界で活躍することになるのだ。
レコーディングは、多くのアイランド・メロウ好盤を生んだ、かのSound Of Hawaiiと東京。ただしHawaiiでは気が弛みすぎて大部分は東京で録られた、なんて噂もチラホラ。とはいえ音のテイストは見事にリラックスしていて、メロウでシャレたリゾート・ポップの佇まいを聴かせる。<8部音符の詩>にNed Dohenyの<Valentine>を思い出すのは、決して自分だけではないだろう。
"SUMMER BREEZE"と名づけられた【Disc2】は、ソロ3作目『CAUTION!』、ちょんわ〜ポーズの4th『TELESCOPE』から各3曲、次の『COSMOS '51』から1曲、そして前述『キャラメル・ママ』から2曲という全9曲。つまり『BAND WAGON〜Perfect Edition』とこの『LAGOON & SUMMER BREEZE』があれば、彼のPanam時代の重要な楽曲は、すべて本人リマスタリングの理想的サウンドで聴けるってワケ。時代が下がるとかなり歌謡ポップ的なアレンジになってくるのは、まぁご愛嬌というか…。物事を戦略的に考えるタイプではないから、その時その時の指向性がストレートに音に出る。そこが茂さんの魅力であり、またウィーク・ポイントでもあるんだな。
『BAND WAGON〜Perfect Edition』の時のインタビューで氏は、「ベース、ドラム、基本的な大切な楽器をさらにパワーアップして迫力のある音に変えたかった」と言っている。ただしそれはバンド・サウンドで作り上げた作品なればこそ。もっとカラフルで都会的なアプローチになっている『LAGOON』以降は、その言葉をありのまま当てはめることはできない。それでも低音域の音圧が上がっているのは確かだし、全体的に粒立ちのシッカリした聴きやすい音になっている。
『BAND WAGON』は鈴木茂が生み出した和製ロックの金字塔のひとつ。対して『LAGOON』は、もっとシティポップス〜ニューミュージック〜和製AOR的なスタンス。彼の音楽的変節は、日本のポップス・シーンが曲がり角に差し掛かっていたことを見事に象徴していた。
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この記事へのコメント
1. Posted by ラジオ関東
2006年08月08日 11:04
「LAGOON」がこういう形で再発されるなんて嬉しいですね。高中さん、達郎さん絶頂の80〜82年リゾートミュージックを浴びるように聴いてから、それ以前の音楽に触手をのばしてたワタシからすると、「バンドワゴン」より数段すばらしく感じるアルバムです。
まもなく40代に入る昨今、松本さんの詞もまた一層胸に染み入るね。「走れラビット」のジェームスディーンのようなトンガッタ主人公と「ねえ、君は誰なの?友達にしてくれない。」の甘いセリフのギャップ〜しびれます。
「SUMMERBREEZE」の「レイニーステーション」の詞のまとめ方も絶品だな。
隠れ「木綿のハンカチーフ」といえますね。こんな青春の「場面」を書ける作詞家って今いないね。
まもなく40代に入る昨今、松本さんの詞もまた一層胸に染み入るね。「走れラビット」のジェームスディーンのようなトンガッタ主人公と「ねえ、君は誰なの?友達にしてくれない。」の甘いセリフのギャップ〜しびれます。
「SUMMERBREEZE」の「レイニーステーション」の詞のまとめ方も絶品だな。
隠れ「木綿のハンカチーフ」といえますね。こんな青春の「場面」を書ける作詞家って今いないね。


