fa781a2e.jpg最長不倒ライヴとなった角松敏生25th Anniversary Live@横浜アリーナ。ライヴが長い(3時間は当たり前!)ことで有名な角松にとっても、18:30開演/0:30終演の6時間ステージ(休憩20分あり)は初だった。それでもセットリストを見ると、アンコールは少しハショッてるんだから…(苦笑) もちろん、それだけ気合いの入ったステージだったけどね。


昨日も書いた通り、レギュラー・ベース奏者だった青木智仁の急逝で、ファンの皆さん共々、何か重いプレッシャーを課せられたライヴになると思って望んだが、その重圧感はノッケの一瞬で見事に払拭された。客電が落ちるとすぐ、スクリーンに解凍後の初シングル<Realise>のクリップが流れる。すると唐突に「ここから生中継」の札を持った角松が登場。"志村のバカ殿"みたいな顔でギャグを一発カマす。そして何故か楽屋にいた着ぐるみコスプレ集団一人一人と固い握手を交わし、意気揚々とステージへ。これで「あぁ、いつもの角松だ!」とファンは安心したに違いない。普段のライヴではバシッ!とキメたオープニングが多いけど、今回はこれで場が和み、異様な緊張感がほどけたのだ。うまく考えたなぁ。

ステージを見れば、青木氏のスラップは鳴り響けど、当然その姿はない。<Realise><Lunafairymiena><SHIBUYA>と、解凍直後の3曲を立て続けにやってMC。いきなりココでメンバー紹介が入ったが、まったくいつもパターンだ。違ったのは、最後に「ベース青木智仁」と言った時、スポットの先にあったのが遺影とベースだけだったこと。こりゃー最後まで、さも青木さんがいるように演るな、と思ったら、案の定、角松の口からは青木さんについては何の言及もなかった。あったのは、コンサート中盤で、スクリーンに青木さんと「Tomohito Aoki Forever 1957-2006」の文字が浮かび上がったことだけ。青木ファンは「何かひと言…」と思ったかも知れないが、これが角松流の追悼表現なのだ。もっともらしい言葉で涙を誘ったって、何の解決にもならない。きっとあの世の青木さんだって喜ばないよ。

ライヴの構成は、解凍後の重要作ごとにチャプターを区切り、クリップやインタビューVTRを挟みながら場面転換を重ねていく形式。前半は<IZUMO>で終了し、インターバルを挟んで沖縄タイムで二部がスタートした。ここでは下地暁、下地勇、しゃかりなど親交の深い沖縄のミュージシャンをゲストに迎え、彼らの持ち歌に角松が絡む。なるほど、角松が精神的・肉体的に参ってる時、こうした音が彼の病んだ心身を浄化したワケだ。だからこそ、彼はこの場で、あまり本土に伝わって来ない沖縄のディープな音楽を紹介したかったのだと思う。その持ち味はシッカリ伝わってきたし、角松の心意気も大いに賞賛されるべきだろう。とりわけ新良幸人のヴォーカルの表現力、<Smile>でお馴染みのChiakiの声の素晴らしさは、ホントの沖縄の宝だと思う。
ただひと言だけ苦言を呈すれば、約1時間に及んだ沖縄タイムは、少々長過ぎはしなかったか。結果的にオーディエンスのほとんどが帰宅の足を奪われ、最後まで見届けられず泣く泣く帰った人も少なくなかったことを考えると、もう少し配慮があっても良かったのでは?と思う まぁ、コア・ファンの多い角松だから許されることではあるけれど、ちょっとファンに対する甘えが出ちゃったかね(苦笑)

なので、怒濤のファンク・チューン連発に突入したのは、もう11時を回っていたか。本編最後に唯一の解凍前の<Sky High>をやり、2部終了。アンコールは当初2回で4曲の予定だったが、さすがにダメ出しがあったか、2曲カット。その代わりセットリストにも記載のない、サプライズがあった。それはセンター・ステージでの<No End Summer>弾き語り。実はセンター・ステージの一番前に座ってたモンだから、最後に何かあるとは思っていたが、時間が時間だけに諦めていたのだ。

で、結局ハネたのが0時半。さすがに本人もバテたのか、終演後に訪ねた楽屋でもずいぶん待ちを喰らった。でも出てきた時の顔は意外と元気。軽くハグして、楽屋を後にした。

まぁ、ちょっと苦言も呈したが、それはあくまでサジ加減の問題。もう中味的には過激なほどの充実度で、一気に6時間を走り抜けた感アリだ。一日の1/4をライヴに費やしたなんて、とても思えなかった。そこに居るべき人が居ないことで、コチラも思わず目頭が熱くなりかけた場面があったけど、角松の毅然とした態度にはオーディエンスも多いに救われただろう。最近の曲ではレコーディング時のベースだった松原秀樹が弾く曲もあったワケで、彼が青木さんのトラを兼ねる方法も選択肢にあったハズ。だが今回は、青木さんのベース・トラックをそのまま使って同期させたのがベスト・チョイスだった。そして今日から26年目のスタートである。

さぁ、次は"Player's Prayer Tour" 初日の9月30日@地元大宮だぁ〜!