5bbe1271.jpgいやいや、こんな どマイナーなレコードがCDになっちまうとは…。いつもお世話になっているHi-Fi Record Storeの大江田さん、松永さん、これは快挙っしょ! オレももっと早くこのアルバムを知ってれば、間違いなく『AOR Light Mellow Remaster Plus』の時に載せてたな。

このジェフ・ハリントンのセカンド『JEFF HARRINGTON』は、いわゆるプリAORの典型といえるような,70年代中盤のメロウ系シンガー・ソングライター作品。弾き語りにリズムを足しただけのシンプルでフォーキーな表現に飽き足らなくなった人が、ジャズやボサノヴァのヴォイシングを取り入れたり、R&Bのファンキーなリズムにアプローチして、より豊潤でジックリ煮込んだサウンドを作り上げたワケだ。しかもその場所は、アメリカでも極寒の地ミネアポリス。ローカル・シーンでまだビジネスに毒されてないうえ、人のぬくもりが恋しくなるような土地だそうだから、そこで育まれた音楽も、当然そういう色合いを帯びてくる。同じく豊潤さを持つ南部の音楽でも、あちらが大らかで少し荒っぽいのは、やはり風土から来るんだろうな。

解説を読むと、アルゾとかアル・クーパーを思い出す、と松永さんが書いてる。ウン、確かに。でもAOR的にはスティーヴ・イートンのセカンド『STEVE EATON』に近いだろうか。音の内容もそうだし、ファーストに比べてグンと垢抜けていくプロセスも似ている。ジェフの方が少し寂寥感が漂っているのは、やっぱり北部産だからか。ローカル発ゆえ、参加ミュージシャンは知らない人ばかりだが、イイ音楽は名前で作るものじゃない。表現したい音に見合うスキルがあれば、それでいいのだ。

ちなみにジェフのファースト『QUIET CORNER』も、ボクは大好き。飾り気はないけど、そのポツネンとした孤独感には、思わず寄り添っていたくなる。絵に描いたような大都会のオシャレ・サウンドではなく、地方都市ならではの血が通った小粋さ。スタイルだけ、サウンドだけのAORなんて、マネキンがブランド品つけてショーウインドを飾っているのと同じだよ。