49b8b808.jpg次号ストレンジ・デイズ誌のエルトン・ジョン特集に寄稿するため、彼の作品をアレコレと。もうすぐ新作『キャプテン&ザ・キッド』が出るということで、それに併せた特集だとか。ちなみに今度の新作、タイトルを見れば分かるように、75年にビルボードのチャート史上初の初登場ナンバーワンをやってのけた傑作『キャプテン・ファンタスティック&ザ・ブラウン・ダート・カウボーイ』の続編的な意味があるそうで。

…とはいえ、カナザワとしてはエルトンにはまったく思い入れはなく、その時その時でヒット曲として親しんできただけ。だからアルバムも全然揃えてなくて、何を持ってて何が抜けてるのかさえ、チャンと把握してなかったりする。それでも第一黄金期に当たる70年代半ばまでの作品は、好きな曲がメチャ多いから、何とか紙ジャケでキープした。しかし今回の特集では、あまり馴染みのない時代の作品まで書くことになり、改めてジックリとエルトンに向かい合った次第。そして、思った。こりゃー全部持ってなアカン! 特に01年の『SONGS FROM THE WEST COAST』にはヤラレたね。おかしいなぁ〜、これはちゃんと買ったんだけど、当時はまぁ、普通にイイって印象で。でも今回久々に聴いてみて、アレ!?こんなに良かったっけ、なんて。エルトンさん、エルトン・ファンの皆さん、スミマセン、完全に見くびってました。反省ッ!

で、ネタは『キャプテン・ファンタスティック〜』の1コ前のアルバム『CARIBOU』。その名の通り、ビーチ・ボーイズやシカゴが拠点にしてたカリブ・ランチで録られたアルバムで、実はコレが初のアメリカ録音だったとか(ライヴを除く)。何でも日本を含む極東ツアーが直後に控えており、たった一週間で完成させたと言われる。カール・ウィルソンやブルース・ジョンストン、トニ・テニールなど、ビーチ・ボーイズとその周辺がゲストに入っているが、切羽詰まった時だけに、そうしたインフルエンスの注入も視野に入れてのコロラド行きだったに違いない。タワー・オブ・パワーのホーン・セクションも、Made in U.S.A.を感じさせる。

<僕の瞳に小さな太陽>なんて、エルトンにしてはかなり地味な曲だけど、これが何とも味わい深くて。ちょうど『THE ONE』以降の彼に通じるテイストがあって、ジョージ・マイケルとのデュエットで再度ブレイクしたのも納得できる。お騒がせなイメージのあるエルトンとはいえ、今は純粋にシンガー・ソングライターとして評価すべきだな。

さーて、当面は中古CD屋でエルトン・コーナーをのぞく日々が続きそう。どうせ買うなら、なるべく新しいリマスター盤で揃えたいモンです。