c32dff20.jpgジョン・ヴァレンティに次ぐビッグ・ニュース第一報!! つ、ついに、とうとう、かのデヴィッド・T・ウォーカーのOde3部作『DAVID T. WALKER (REAL T)』『PRESS ON』『ON LOVE』の世界初CD化が決定した。ハッキリ言って、これはヴァレンティ再発に勝るとも劣らない、今年最大のリイシューになるかも…!??

デヴィッド・T.は60年代初めから活躍している、ソウル・ジャズ系のセッション・ギタリスト。とりわけモータウンのレコーディングに重用され、マーヴィン・ゲイやジャクソン・ファイヴなど、著名アーティストをサポートしてきたことで知られる。その後バリー・ホワイトやクインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、クルセイダーズなど、参加した名作・名盤は数知れず。しかも彼の独特のタッチから生まれた、心の琴線を振るわせるようなギター・プレイは、まさしくワン&オンリーとして絶大なリスペクトを受けている。それこそ米西海岸のスタジオ・シーンきっての匠、人間国宝みたいなミュージシャンだ。その詳細は、是非ともグレイトなコチラのファン・サイトを一読されたし。

で、このデヴィッド・T、68年作の『THE SIDEWALK』を筆頭に、70年代半ばまでに6枚、87年以降に6枚のリーダー作を発表している(その他にジョー・サンプルとの共演作、チャック・レイニーとの双頭バンド、山岸潤史や盟友ジェームス・ギャドソンと組んだバンド・オブ・プレジャーでのアルバムも)。そのほとんどはCD化済みだったが、ある意味ファンが一番望んでいるであろう70年代前半のOde期のアルバムが、権利問題から未だに銀盤化されていなかった。

このOdeというのは、キャロル・キングやトム・スコットらがいたレーベル。当時はA&Mが配給していたが、今はご存知のようにソニーからのリリースとなっている。したがって業界関係者やカナザワのように再発関係の仕事に関わるライター/評論家諸氏は、みんなソニーにリクエストを出していた。ところが担当者が調べたところ、米Columbiaにはマスターがない。次第に明らかになったのは、Odeとの契約状況はかなりややこしいらしい、ということ。なるほど、それなら真っ先に紙ジャケット化されて然るべきのキャロル・キング『つづれおり』が、未だにフォーマットを代えてリイシューできないのも合点がいく。

で、それじゃあ誰が権利を持っているの? これまではそこで話が頓挫していた。しかし、アチコチにアンテナを張り巡らしていると、情報というのは何処からともなく入ってくるもので…。カナザワのところに偶然ある筋から確率の高い話が入って来て、それをキッカケに今回のリイシューが決定した次第。まぁ、偉そうなコトは何もしてないけれど、こうして線と線が結びついて名作が皆さんのお手元に届くならば、それこそライター冥利に尽きるというモノである。

待望のリリースは12月20日にビデオアーツから。もちろん3枚同時に、しかも紙ジャケ仕様となる。乞うご期待っ!!