1ebf2ac7.jpgルーファスの弟分的な扱いを受けていた80'sR&Bの名デュオ、ルネ&アンジェラのセカンド『WALL TO WALL』(81年)が奇跡の初CD化。完成度としちゃ85年の4thアルバム『STREET CALLED DESIRE』の方が代表作に相応しいが、マニア度及びメロウ度は断然コチラ。拙著『ブラック・コンテンポラリー・ミュージック・ガイド』にも、敢えてコレを掲載している。アンジェラは一時ロナルド・アイズレーの公私に渡るパートナーとなった才女で、一時は完全にアイズレーを牛耳っていたことで名を上げた。

ルーファスがデビュー時から援護したのは、ルネがボビー・ワトソン(b)の実弟だったから。アンジェラにしてもソロ時代やアイズレーのサポートで見せたような艶かしさはまだなく、小型チャカ・カーンみたいな風情を見せる。オープニング曲に拠っては笑っちゃうほどダサダサな80'sサウンドだったりするが、本作では尻上がりにクオリティが良くなって。とりわけアンジェラが主導権を取ったナンバーは、さすがの出来映えを示している。ラストのバラード<Come My Way>なんて、コテコテのアイズレー・マナーが炸裂。この妖艶さで迫られたら、そりゃー百戦錬磨のロナルド・アイズレーだって堕ちますわな(今は別れたらしいが…)。

ルーファス人脈総動員ゆえ、参加ミュージシャンも超豪華。ルーファスの当時の主要メンバー(ボビー・ワトソン、ジョン・ロビンソン、トニー・メイデン。ホーク・ウォリンスキー)に加え、ドラムにジェフ・ポーカロとアンドレ・フィッシャー、オリー・ブラウン。ベースにルイス・ジョンソンとジェームス・ジェマーソンJr。それにシーウインドやパウリーニョ・ダ・コスタもいる。ちょうどルーファス&チャカ『MASTERJAM』やマイコー『OFF THE WALL』を手掛けた頃のクインシーみたいだ。クインシーのお抱えエンジニア、ブルース・スウェディンに"Special-Special-Special Thanks to..."が贈られているのが、何やら象徴的である。そういや、サイーダ・ギャレットを擁したグループ、プラッシュを手掛けたのは、ルネ&アンジェラとボビー・ワトソンだっけね。