1c709500.jpgこの週末、14・15・16日は角松敏生パフォーマンス2006 "PLAYER'S PRAYER"ツアーの最終公演@中野サンプラザ3daysだった。ゲストにかのスティーヴ・ガッドを迎えた東京スペシャルである。カナザワは14日と千秋楽16日を観戦。このツアー自体は9/30の大宮初日を観ているので、ほぼ3ヶ月に及ぶスケジュールの最初と最後を押さえたことになる。

常にクオリティの高いステージを観せる角松だけれど、売れっ子:森俊之を加えた3キーボードによるtripod、大儀見元を迎えたダブル・パーカッション、そしてギターに今剛をフィーチャーした今回の顔ぶれは、角松のツアー・バンドとしては間違いなく歴代トップだろう。特に森のローズのトーン、手弾きによるシンセ・ベースのヴァイブは絶品。それにも況して、今さんのギター・ソロの見事さといったら! どんな曲でもカッチリはまるソロを弾き、しかもそれがすべてちゃんと今印のプレイになっているというのは、ホント凄いことだ。しかも今さん自身、このツアーを思い切り楽しんだのが伝わってきて。中盤の角松弾き語りコーナーでも、最終日スペシャルなのか、<あるがままに>をデュオで。アンコール登場時にも、トナカイの角の被り物でプレイする茶目っ気を見せてくれた。

そして世界一のドラマー、スティーヴ・ガッド! リハは一日しかなかったと聞いてたので、当然ハイライトだけの登場と思いきや、オープニングからフル参加。江口氏だけで充分だろ、なんて思うバラード・ナンバーでも、しっかり叩いてたのには驚いた。さすがにリハ不足は明白で、中野初日は譜面と首っ引きだったが、3日目になると余裕も生まれ、合ってなかった<Sky high>のエンディングもバッチリ。そうそう、最初はなかったドラム・ソロ・パートも加えられた。ただ中日には<Moonlight Tokyo Bay>が披露されたそうで、これを聴けなかったのは残念。それでもガッドが加わっただけで勢いが増し、ビートに躍動感が出るからスゴイ。初日終演後に楽屋で角松と言葉を交したが「リハでもそれなりにスゲエって感じだったけど、本番はまったく別人。メンバーもだけど、ミキサーが音だけ聴いてて驚いてたよ」と、半ば呆れ顔だった。
もう何度となく生ガッドを見聞きしてきたカナザワとしては、エリック・クラプトンのサポートを聴いて「あぁ、さすがのガッドも枯れてきたな」と思ったのだが、それはトンだ思い過ごしだったようで…。60歳を過ぎても、ガッドはガッド、やる時にゃあやってくれるモンである。

そんな形で大円団を迎えたこのツアー。実のところ地方では動員が伸び悩んだらしく、この東京3daysも当日券が出る有り様。ガッドを加える等、レコーディング・メンバーを集めてアルバムをライヴで再現することを主眼に於いたツアーだったけれど、そうした"Player's Prayer"は、やっぱり分かる人にしか分からなかったのだろう。もちろん足を運んだオーディエンスの中にも、その有り難みを全然理解してないヒトがいるのは明白だ。良いモノが必ず売れるとは限らないのは言わずもがなだけれど、何がホンモノかを知らずにいるのは、やっぱり悲しいコトだと思うな。

さて、これは今年6月24日に横浜アリーナで行なわれた25周年記念ライヴのDVD。当日は約6時間という超ロング・ラン・ライヴとなっただけに、中盤の沖縄コーナー等はざっくりカットされている。それでも2枚組で50曲収録だからヴォリューム感たっぷり。気合い入れて観たら、とてもじゃないが一度では観きれない。かくいう自分も、ほとんどBGMのように流しつつ、チラチラ観ながらコレを打っている。昨日の最終日にもカメラが入っていたから、これから何らかの形で映像が出てくるだろう。周囲に盛り上げられつつ、結構ニコヤカに叩いていたガッド。その憧れのスーパー・ドラマーを迎え、堂々たるパフォーマンスを披露した角松。本物のミュージシャン同士によるスピリットの交歓を、今度はジックリ落ち着いて楽しめそうである。