05ec62a9.jpgロリー・ブロックの名を知ったのは、確か80年代の終わり頃、某FM局で流れていたのがキッカケ。前職のルート・セールスで営業車を運転中、なかなかのメロウ・グルーヴ好曲に反応し、アーティスト名だけを手帳の片隅に素早くメモったのだ。だが日本盤が出てるワケでもなく、新作が紹介されるでもなく、いつしかその名は記憶の彼方に追いやられていた。

ところがそれから7〜8年が経って、ある輸入盤店で突然その名と遭遇することになる。彼女のアルバムが、メロウ・グルーヴ系のリコメンドとして、なんと壁に掛かっていたのだ。

あれぇー? 何処かで聞いた名だなぁ。

思い出すには、しばし時間が必要だった。しかし一旦思い出したら、あの時の曲が聴きたくなって、それっぽい時期のアルバムを何枚か買ってみた。しかし当時の曲は発見できず。かなりディスコっぽいダンサブルなアルバムもあるが、基本的には今も活躍中の女性ブルース・シンガーだと知って、それからはあまり手が伸びなくなってしまった。試聴でもすりゃあ別だけど、コテコテのブルース・アルバムに当たってもねぇ…(苦笑)

というワケで、今回のリイシューでお初に接したロリー嬢の74年のデビュー・アルバム。とてもブルース・シンガーとは思えぬオシャレ(?)なジャケに包まれている通り、オープニングからノリノリのメロウ・グルーヴ・チューンが炸裂する。まるでクラブDJを喜ばせるのが目的のような、超強力キラー・トラックである。でもその後はシンガー・ソングライター乗りの作りで、R&B色を感じさせつつも、もっと歌を聴かせる印象。しかし後半になると、ブルース出身の持ち味を発揮。かなり渋い曲からドゥービーあたりに通じるラグ・チューンなどが出てくる(アコギは彼女自身のプレイの様子)。

つまり、本音と建前というか、とりあえず2つの自分を出してみました、ってトコロ。これがクリサリス・レーベル移籍後になると、明らかに売れセン狙いのディスコっぽい曲が大勢を締めるようになる。

しかしこのルックスでブルースやるかね? せめてマリア・マルダーとかボニー・レイットとか、ちょっとアメリカン・ルーツな感じを出してりゃ納得できるが(苦笑) ま、クラプトンもAORも楽しめるカナザワみたいな人は、一聴の価値アリかも。

アイム・イン・ラブ(紙ジャケット仕様)