2007年06月30日

■ IF ONLY … / HOWARD HEWETT

b319d0a7.jpgライヴ盤やベスト物は出ていたが、純然たるニュー・アルバムとしては、ゴスペル作『THE JOURNEY』以来、ほぼ6年ぶり。でもその6年が無駄ではなかったと思わせてくれるハワード・ヒュエット渾身の作が届けられた。



全盛期のシャラマーを支えたメイン・シンガーでありながら、ソロ転向後はジョディ・ワトリーの華やかさに先を越されていた感があったが、元々は素晴らしい歌唱力を持つ人。当然地力じゃ勝るワケで、地味ながらも確実にアルバムを重ねている。自分の型を持ってる人は、多少追い込まれても踏み堪える足腰があるよね。

このアルバムも新しい顔ぶれによるプロダクトが多いようだけれど、音は極めてオーソドックスなクワイエット・ストーム系。ロナルド・アイズレー顔負けのメロウなファルセットが全開で、スロウ・チューンのオン・パレードになっている。しかも、スムース・ジャズよりもっと濃厚なセンを行っていて、メチャ嬉しい。Shanachieが連発しているR&Bカヴァーのシリーズなんて、グレン・ジョーンズとかデニース・ウィリアムスなどのごく一部を除いて、あんまし価値ある作品とは思えないもの。まず企画ありき、楽曲最優先で、そこに歌い手が宛てがわれてる感じ。そこそこ歌えりゃ誰でもイイんじゃないの?なんて思えちゃう。別に企画が悪いんじゃないッスよ。でもそこに作り手の魂が感じられないんだな。「この曲をコイツに歌わせたい」「コイツだからこそこの曲を歌ってほしい」という気持ちがね。

その点、そんな安易なトコロに迎合せず、しっかりオリジナル新作に挑んでいるハワードの歌には気骨がある。ジョージ・デュークやアース・ウインド&ファイアーのラルフ・ジョンソン、盟友モンティ・セワード、それにロバート・ブルッキンスなど、古くからの気心知れたメンバーとのコラボレイトがちゃんと続いているのも、そうした姿勢があるからだろう。

個人的には、久し振りにレイモンド・クロスレーの名前を見たのが喜ばしい。彼は80年代初頭のモータウンでデバージの再デビューに貢献しつつ、ノーレン&クロスレーというデュオ名義で2枚のアルバムを残した人。デバージ同様、ちょっぴりAORっぽいブラコン・サウンドを作っていた。それがココでハワードとチームを組んでいる。

ハワード自身、スムース・ジャズのインスト奏者のアルバムでシンガーを務める機会が少なくないが、シンガーがハワードであれ誰であれ、彼らがスムース・ジャズでは本来の実力を100%発揮できず、半ば去勢されているのは間違いない。だからこそ、こうしたアルバムには価値がある。<Imagine>のアーバン・ゴスペル風カヴァーもなかなかっス!



lightmellow at 23:50 │Comments(0)TrackBack(0)clip!Soul / R&B  | New Release

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