2007年11月12日

■ BEAT OF LOVE - THE THINGS THAT YOU DREAM / RANDY VANWARMER

220d8d83.jpg最近、海外でのAORリイシューというと、ワーナー系やソニー系に強いWounded Birdの名が真っ先に出てくるところだけれど、その名の通り、意外と渋いセンを突いてくるのが Collectors' Choice。今回はランディ・ヴァンウォーマーのベアズヴィル期4作を、2in1×2枚の形で届けてくれた。



ランディといえば、まず<アメリカン・モーニング (Just When I Needed You Most)>になるわけで、日本ではそれが収録された『WARMER(邦題アメリカン・モーニング)』ばかりが何度もリイシューされ、現在は紙ジャケでも流通している。ところがそれ以外はほとんど無視されてた状況。唯一90年代半ばに『THE THINGS THAT YOU DREAM(夢見る頃)』が出ただけだ。それが今回は一気に4枚とも出たのだから、マニアには見逃せないトコロだろう。2枚目『TERRAFORM』、3枚目『BEAT OF LOVE』は、多分世界初CD化のハズである。もっとも米本国じゃ、すべて初CD化か。

で、今回ピックアップしたのは、3/4枚目のセット。実はセカンドというのは、下段掲載の宇宙服ジャケから想像つくように、いきなりエレ・ポップに走った一枚。ファンは当然<アメリカン・モーニング>以後を期待してたはずだから、当時は大きな賛否を呼び起こした。…というより、ハッキリ言ってAORファンにはクソミソに扱き下ろされていたと思う。それを反省したのか、この3枚目ではニュー・ウェイヴ風味のブリティッシュ・ビート・ポップスを基調に、聴きやすさを追求。バック・バンドには元フィフス・アヴェニュー・バンドのマレイ・ウェインストックがいたり、今ではスムース・ジャズの売れっ子ギタリストになったジェフ・ゴルブがいたりする。だからいわゆるAORじゃないけれど、彼のルーツを垣間見せた内容は、決して悪くはなかった。

そして『夢見る頃』は、ランディ本来の持ち味であるメロディ指向に回帰すると同時に、ラヴィン・スプーンフルの<Do You Believe In Magic>、パット・ベネター<Shadows Of The Night>をカヴァー。さらにAORマニアが反応しそうなアダム・ミッチェルの作品まで取り上げる余裕を見せた。期待に違わぬAORっぽさと古き良きアメリカン・ポップスのノスタルジックな色合いをバランスよく配合した感じである。
バックにもジョン・セバスチャンを筆頭に、ジェフ・バクスター(元スティーリー・ダン〜ドゥービー・ブラザーズ)やウェルズ・ケリー(元オーリアンズ)、そしてかのピーター・バラカン氏の弟シェイン・フォンテインなどが参加。それにジム・クリーガン(g)、トニー・ブロック(ds/元ベイビーズ)、ケヴィン・セヴィガー(kyd)など、ロッド・スチュワート・バンドのメンバーがユニット的に参加した曲があるのも面白い。前作に入っていたジェフ・ゴルブも、やがてロッドのバンドに加入するので、どこか通じるモノがあるのかしらん。

…にしても、結局ランディは<アメリカン・モーニング>のようなヒットは出すことができず、ベアズヴィルともこれっきり。一転ナッシュヴィルで作家活動を開始し、マイケル・ジョンソンやアラバマらにヒット曲を提供するようになっていく。でも04年の急逝は、やっぱり早すぎたよなぁ…。



lightmellow at 23:50 │Comments(2)TrackBack(0)clip!AOR Light Mellow  | Reisssue

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この記事へのコメント

1. Posted by そうはとんやがおろさない    2007年11月15日 00:20
5 2ndクソミソに言ったクチです。あの頃のSONY盤は、貸しレ問題で国内盤でもシュリンプしてあったような気がします。よって、試聴しないで買って…なんじゃこりゃー!って仲間で文句…
で、今1st引っ張り出して聴いてます。ところで、「ソングライター」って金澤様的には、オススメなんですか?差し支えなければ、アドバイスを、是非!!
and先日、ライトメロウを読み直しましたら、ゲイリー・ベンソン確かに通算5作目とか書いてありました。
けっこう適当に読んでいた自分に反省です。
いい加減な読者で、スミマセン。
2. Posted by kanazawa    2007年11月15日 05:53
>そうはとんやがおろさないサン、いつもありがとう!

「ソングライター」は発掘デモ音源なので作りがシンプルですが、
意外とイイ曲があります。
2ndみたいに路線はハズしてないので、
ビクターからの復活アルバムあたりがお好きなら、
聴いてみても良いんじゃないでしょうか。

ま、ゲイリー・ベンソンは初期作はAORファンにはあまり用がないと思うので、
日本では実質的なファースト、ってなところでしょう。

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