a7c66708.jpg昨日から取り掛かっているのは、来年1月にヴィヴィドから紙ジャケ・リイシューされる しばたはつみの『SINGERLADY』。我が【LightMellow's Choice】は2月初旬までリリースがないけれど、その分、他のA&Rさんから次々とご依頼を戴いちゃったりして。いやいや、ありがたいこってす!

しばたはつみの人気三部作『SINGERLADY』『LOTS OF LOVE』『LOVE LETTERS STRAIGHT FROM OUR HEARTS』(75〜77年)は、いずれも99年に同じくヴィヴィドの名シリーズ【CITY BREEZE COLLECTION】で一度CD化済み。しかし現在ではほとんど入手困難なので、改めて紙ジャケ化するとのこと。その際ライナーを差し替えるそうで、最も人気盤である『SINGERLADY』の執筆を仰せつかった。

彼女の近年の人気というのは、やはり、ルパン三世のサントラを手掛けたことで有名な大野雄二への注目から派生したのは否めない。この3部作も、まさにしばた=大野の蜜月時代に産み落とされた作品で、彼の手腕抜きに語ることは不可能。元々ジャズ・ピアニストだった彼が作編曲家に転身し、CMやら各種サントラで多忙を極めていた頃の一枚である。当時の大野はブラック・コンテンポラリーやジャズ・フュージョンに思い切りハマり、青山のパイド・パイパー・ハウスに足繁く通って、毎回手提げ袋2つ分のLPを買っていたとか。そして寸暇を惜しんで研究に勤しみ、そのインフルエンスを自らの楽曲にちりばめた。

だがCMやサントラでは、やはり各種の制限がある。そこで彼がアレンジャーとして関わりながら自らのサウンドを自由に表現していったのが、ソウル・ジャズ的なポップ・サウンドを指向するしばたはつみと、ボサノヴァ系のソニア・ローザだったらしい。

しかもはつみがコレまた、ちょっとエキゾチックで色っぽいトランジスタ・グラマーで。当時、TVの歌番組に出演する彼女をよく観ていたが、ムチムチのおみ足をスリットから覘かせる朱里エイコ、露出度の高いドレスを着て歌う彼女と、大人のオンナの色香に酔わされてクラクラした覚えがある。それが今じゃ、水を弾くような若い20代の若い肌の方が……(以下自粛) いずれにせよ、こうした大人の色気をふりまくシンガーって、今じゃほとんどいないかも。

参加ミュージシャンも、村上秀一(ds)、岡沢章(b)、杉本喜代志・松木恒秀(g)、穴井忠臣(perc)、タイム・ファイヴ(cho)など、一流どころがズラリと。ジャズとソウル、歌謡曲とポップス、そんな微妙なバランス感を保ちつつ、メラメラとクールに燃えたぎるグルーヴを提供する。オープニングのタイトル曲なんて、マジ、やばいっス。ちょっぴり歌詞が臭かったりするのが時代を感じさせるが、音はまさしく一級品のレア・グルーヴ。これが純国内作品だなんて、俄に信じられないくらい。こりゃー若いDJ諸氏がハマるのも、無理ないわ。