ae8314cf.gif角松敏生【Player's Prayer Returns】ツアーの東京・中野サンプラザ3デイズ。初日に引き続き、3日目も参戦してきた。というのも、この3日目はまったくの別メニューだから。最初の2日間はタイトル通り、去年のツアーをほぼそっくり再演したものだったが、この日は一部メンバーを入れ替えて。ちょうど中野3デイズ前日に発売されたセルフ・リメイクのバラード・アルバムに合わせ、バラード・ナイトになったのだ。



ホール内に入ると、角松のライブにしては珍しく緞帳が下りている。何か仕掛けがあるのかな? ライトが落ちると、例によって<UGAM>が流れ、そうしたら緞帳の前に角松登場。そのまま新作に入ってるアカペラで、<月のように星のように>をハンドマイクで歌う。ほぉ、そう来たか。以後バンドで<海><LIVE><もどり道><Single Girl><5000マイルのカウンター><RAIN MAN>と、バラード・アルバム収録曲を立て続けに。やっぱり森俊之アレンジの<海>と、江口信夫(今日は不参加)が「オレはドラムだから…」と言ってアップに作り替えたという<LIVE>がイイ感じだ。

中盤は少し懐かしいトコロから、<Distance><Polar>、新作にも入っている<New Year's Eve>、そして<花瓶>、再び新作収録曲<What Is Woman>へと。そしてハイライトであろう<Ramp In>、<I'd Like To Be Your Fantasy>。ウォーー、オ、ォ…、あれ…?

ココでジワぁ〜ンと感動するトコロだが、なぜかホンの僅かに違和感を感じちゃって、自分でも少し戸惑う。<Distance><Polar>あたりは、うぉー懐かしぃーってな感じ。<New Year's Eve>や<What Is Woman>は新作からだから、ヨシヨシ、なんて。で、昔だったら一番グワ〜〜ッとくるはずの<Ramp In>が、何だがあまりにアッサリと流れてしまったのだな。何だか気づいたら<I'd Like To Be Your Fantasy>まで終わっちゃってて、アレレ!? どうしたんだ?と。ところが本編ラストの2曲<Always Be With You>や<Smile>はシックリ来た。

そこで、ふと思いついた。昔の甘いバラードをそのままのアレンジで今更やられても、カナザワ的には、もう懐メロにしかならないのだな、と。おそらく角松はファン・サービスとして、バラード・アルバム未収の曲はお馴染みのアレンジのままで歌ったのだろう。それは正しい。今日はある意味、企画ライヴだったのだし、バラードだけでライヴをやるのは、『T'S BALLAD』の頃から出ていたアイディアなのだから。実際オールド・ファンには、この<Ramp In>に涙した人が多かったに違いない。角松ファンには80'sにコダワってる人、良くも悪くも多いからね。

でもカナザワは、もういいかな、というのが正直な感想。今の角松が歌うべきバラードは、やっぱり<Always Be With You>や<Smile>なのだとシミジミ思った。何と言うか、モチベーションとか歌うためのメンタリティが当時とは全然違っている。

そんなことを考えているうちにステージはアンコールへ突入し、唯一の新曲<We're Together>、バンド・アレンジでの<月のように星のように>、そして新作で一番のリコメンドである<崩壊の前日>ビート・バージョンへ。この曲を聴くと、彼のバラードが持つ本質的な魅力に気づかされる。そう、バラードはムードじゃなく、まずはメロディなのだ。じゃなきゃ、こんな素敵なポップ・アレンジなんて絶対成立しない。そしてモア・アンコールは、無伴奏での<You're My Only Shinin' Star>。ホントはアコギで歌う予定だったが、指が痛くて、そのまま歌っちゃったのだとか。それでも最後は予定外の<No End Summer>で、ギター弾いちゃってたけど。やっぱりこの曲は、バラード・ナイトを締めくくるに相応しい普遍の名曲だ。


最後に、角松ファンにお知らせ。
角松当人が公認(黙認?)のコピーバンド:FAKEが、来年月11日(月・祝)にライヴをやるそうです。前回は角松本人が顔を見せ、<Sky High>で自ら紙飛行機を飛ばすという珍シーンがあったが、果たして来年はどうなるコトやら。
詳細は以下の通り。

【T's Songs from GONNOSUKE-ZAKA 2008 FAKE IS BACK!】
日付:2008年2月11日(月・祝)
場所:東京・目黒 BLUES ALLEY JAPAN
OPEN:17:30 / START:18:30
チケット:前売:3,000円
詳しくは、 FAKEのWEBサイトでご確認下さい。



※左は2枚組DVD 右はブルーレイ(収録可能時間が長いので1枚)