700ef247.jpgあぁ、ルカサー君、やっぱり正式発表しちゃったのね。ウドーさんのサイトにこうある。
「TOTOのショーはしばらく見られなくなるので、絶対に今回のショーを見逃さないように。TOTOとボズ・スキャッグスは共にキャリアをスタートした、だからこの特別なジョイントツアーでTOTOを終わらせる。絶対観なければならない今年最大の音楽イベントだよ!」(スティーヴ・ルカサー談)

今回の発表は、 コチラとウドーさんでタイミングを合わせたようだが、カナザワも去る8日にルークにインタビューしているので、その話を控え目に コチラに書いた。歯にモノが挟まったような言い回しになっているのは、ウドーさんへの言葉と同じことを突然言い放ったルークに、ビックリした自分が「これってオフィシャルな話なのか?」と問い正したところ、ルークがちょっと口籠ってしまい、「将来のことは分からない。オリジナルに近い編成でスペシャル・ライヴをやる、なんてコトはあるかも知れない。だけど今のTOTOはこれで終わりだ」と応えたからだ。

まぁ、早い話が解散ではなく活動停止、なのだろう。先のブログでは、年齢的に長いツアーが厳しくなっていること、家族の問題などを理由に挙げたが、もうひとつ、カナザワがルークと話した実感として思ったことがある。それは、実質的なリーダーであるルカサー自身のモチベーションが下がっていること。やっぱりデヴィッド・ペイチとマイク・ポーカロの相次ぐ離脱が、ルークに重くのしかかっているのは間違いない。オフィシャルでは、彼らは脱退ではなくツアーに参加してないだけのハズだが、内情的には抜けたに等しく、いつでも戻る場所が用意されている、といったトコロなのだろうな。

ちょうど最新ライヴのブックレットの表4に、現ツアー・メンバーのグループ・ショットがある。それを見ると、ルークとサイモン・フィリップスが今のTOTOの中核なのが分かる。そしてルークは、「これじゃTOTOを続けていても意味がない」と悟った。ウン、デビュー時からのファンとしちゃあ悲しいけれど、冷静に考えれば実に真っ当な選択。思わず、彼らがTOTOと命名される以前に、早耳のロック・ファンの間でまことしやかに語られた仮名が脳裏に浮かんできた。そう、それは“ポーカロ・ブラザーズ”。当時はまだマイクは不参加だったけれどね。

ファンの中には、日本公演へ向けての営業トーク、なんて楽観的な見方をしてる人もいるようだが、それはないだろう。しかしその一方で、今のメンバーもかつてのメンバーも、みんなフレンドリーだという。現のこのツアーにはペイチの同行が決定したそうだが、いずれジョセフ・ウィリアムスやファーギー・フレデリクセン、マイク&スティーヴ・ポーカロらも混じってのスペシャル・ライヴは行なわれるに違いない。ま、日本ツアーがあるかどうかは別にして…。

ってなところで、いま一度、TOTOの奇跡を辿ってみる。やっぱりカナザワにとってTOTOがもっともTOTOらしかったのは、このアルバムまで。シンガー不在もジェフ・ポーカロ不在も、あまりに大きなマイナス要素だ。サイモンは確かに名ドラマーで、彼のプレイを意識するようになったのは、もしかしたらジェフより早かったかも(フィル・マンザネラ『801 LIVE』が最初)。実際テクニックで言ったらサイモンの方が上だろう。でもジェフは基本的にグルーヴ・ドラマー。まったくタイプが違うのよ。どちらが良い悪いではなく、そのスタイルの違いがTOTOの音楽変遷に多大な影響を及ぼした。

そう、『HYDRA』が出た頃に新宿厚生年金会館で観た彼らの初来日公演の感動は、今も忘れられない。自分が今までに体験したライヴの中で、ベスト5入りは間違いないな。さて、ボズとの共演は、それに何処まで肉薄できるか!?