c03fb580.jpg一般発売から一週間。ひとまず仕事をうっちゃって、ようやくジックリと鑑賞。このあと"Ruturns"ツアーも何度か観ているので、若干うろ覚えになっている部分もあったりするが、やはりスティーヴ・ガッドの存在感だけは今も鮮明に覚えている。別に彼がいなくたって充分スゴイ音を出している角松バンドだけれど、そこに一枚オールマイティのカードを引いて来たようなモノか。

シビアに言えば、ガッドももうそれなりに歳を重ねていて、スタッフの頃のような凄みはないと思う。でも円熟というか、手数の多さを超越した彼ならではのグルーヴがあって、ビートをシッカリと自分色に染めていく。ミュージシャンたちもそれに敏感に反応し、彼独特の磁場に吸い寄せられていくのだ。だからガッドひとりが加わるだけで、いつもの角松サウンドとは違ったニュアンスが生まれる。

ただ上手いだけのミュージシャンなら、日本屈指のプレイヤーを集めた角松バンドに呑み込まれてしまうのが関の山だろう。でもガッドだから、世界屈指のドラマーだから、ひとりで角松バンドに対峙し、溶け込むどころか逆にアンサンブルを牽引していった。それに乗った他のメンバーたちは、きっと皆がいつも以上に気持ち良くナチュラルに演奏していたはずである。そう、ガッドとの共演を喜ぶといった次元ではなく、メンバーそれぞれが見えないオーラに引き寄せられ、真のケミストリーが巻き起こる。それがココにはシッカリと刻まれている。

DVDを観て、改めて感じたことは、とにかくメンバーたちがよく笑っているなぁ〜、ということ。もちろん生で観ていた時に分かっちゃいたが、カメラはその素敵な笑顔の数々をホントにヴィヴィッドに捉えている。日本のトップ・ミュージシャンたちが、まるでアマチュア・バンドのような無邪気さで演奏を楽しんでいるのだ。仕事柄、たくさんのライヴ映像を観てきたけれど、こんなにステキなミュージシャンの笑顔が観られる作品を他に知らない。まさに"Player's Prayer"、その祈りのひとつが届いた瞬間の記録である。

近年は角松ファンも“懐メロ指向派”と“現在進行系派”に分裂しているようだ。でもこのDVDを観て、何も感じないようなら、角松ファンなんてヤメちまえ!と言いたい。イヤ、音楽ファンを気取るコトさえ止めて欲しいと願う。

人々が音楽を愛する理由。そのひとつがココに存在するのだから…。


(左はDVD、右はBlu-Rayです)