b5af192c.jpg引き続きランディ・エデルマン、執筆中。でもチョイと他のネタにも耳を通していたりして。手を伸ばしたのは、先日届いたばかりのドワイト・ドルイック。「CD化されましたね〜」と人に言われ、「ヘッ? それって誰だっけ?」「ホラ、<Georgy Porgy>のカヴァーやってるカナダの…。確かMUROのDJテープか何かで注目されたっていう…」「うーん、そんなのいたっけかなぁ〜」と曖昧な返事で誤摩化して…

ところが数日後、ネットを見ていてコレが突然このジャケがヒットしてくる。「アレ、このジャケって何だっけな? 見たことあるぞ」
で、収録曲をチェックしていて、すべて氷塊。2年くらい前だったか、どこかで情報を仕入れたものの、既にオークションでは結構いい値になっていて、「縁がありゃあそのうちに手に入るだろ!」とスルーしたんだった。それがCD化されたんですね。<Georgy Porgy>は誰か知り合いがサラを回していた気がする。それ以外の実際の音は、今回初めて聴いた。

だいたいDJのミックス・テープにチョイスされた、というのがどうも胡散臭い。いえ、確かにそういうところに引っこ抜かれた曲は、サスガにミラクルなトラックが多く、いつもメッチャそそられたりする。でもね、DJ諸氏はどうしたって楽曲指向でしょ。やっぱり自分の立場では、もっとトータルな才能とか実力、個性を求めるワケで…。あんまし理屈をコネるつもりはないけど、フェイクかどうかは常に気を配る。「聴いて気持ちよけりゃそれでOK」みたいな軽いノリにはならんのだ。特にみんなが有り難がるプライベート・プレスなんて、1曲のみ!なんてのは当たり前。アルバム通して魅力的なんてネタは、ホントに珍しい。だからフロア・アンセムであっても、アルバムを聴くまではあまり信用しない。そんなのに5ケタ払う了見も、サイフの余裕もナイのです。

でも、コレは結構イケましたね。<Georgy Porgy>のみならず、ドゥービー・ブラザーズの<Open Your Eyes>もやってるし。フレンチ・カナディアンというコトで全部フランス語だが、意外とスンナリ耳に入ってくる。特別ハズした曲はなく、ほぼ全編オシャレなアーバン・グルーヴ満載。いかにも80年代初頭という音だ。

ただしドワイト君のヴォーカルは線が細く、優男風でピッチも今イチ。そこそこイイ曲を書いているけど、結局はアレンジの勝利だろう。フレットレス・ベースのソロを弾いてるのは、元メセニー・グループのマーク・イーガンだったりもする。とはいえ<Georgy Porgy>にしても<Open Your Eyes>にしても、アッと驚くような斬新さはなく…。ま、オリジナルしか知らない人に、「これ、誰のヴァージョン??」と言わせるには恰好のネタですが…

“カナダの角松”と呼んでるブログがあったが、確かに初期角松っぽいトコロあり。うーん、なかなか言い得て妙かも。