06eab5e6.jpg昨日のうちにほぼ書き終えていたアレサ・フランクリン『ARETHA』のライナーを、最終チェックして朝一番でメール。すんません、ホントは週末の締切だったのに、ライヴ三昧でココまで引っ張ってしまいました…

アレサのアリスタ時代は、ひと足先行して『JUMP TO IT』以降の6タイトルが紙ジャケ化された。でもその時にアリスタ移籍第1弾のコレと、翌81年作でジョージ・ベンソンとの名デュエットを含む『LOVE ALL THE HURT AWAY(想い出の旅路)』は、何故かそこから溢れてしまった。

話を聞くと、それ以上同時に出しても売れない、という営業サイドの声があり、若干絞り込むことになったという。うーむ… でも削るとしたら、こうなってしまうのは分からないではない。ルーサー・ヴァンドロス制作の『JUMP TO IT』や『GET IT RIGHT』は全アレサ・ファン納得の名盤。ナラダ・マイケル・ウォルデンと組んで以降は、コテコテのソウル・ファンからソッポを向かれるもポップ・シーンで大成功し、ジョージ・マイケルやキース・リチャーズ&ロン・ウッド、ジェームス・ブラウンとのキングvsクイーン対決など、話題性に事欠かない。となれば、ちょいと地味なイメージのアリスタ初期2作が切られてしまうのは、仕方がないのかも知れない。

でも、ちょっと待った 内容的には、決して無視していい作品ではない。イヤむしろ、この2枚にしかない魅力だってあったりする。そしてそれはライトメロウ系AORファン、アーバン・メロウ好きなレア・グルーヴ・ファンが、もっとも激しく反応するトコロでもあるのだ。

とりわけこのアルバムは、アリフ・マーディン御大とチャック・ジャクソンがプロデュースを分け合う内容。そしてこのアリフのプロダクション陣容が、ジェフ・ポーカロにルイス・ジョンソン、マイク・ポーカロのリズム体、フォスターとペイチという両デヴィッドの鍵盤、ギターはスティーヴ・ルカサーとデヴィッド・ウィリアムス、シンセでスティーヴ・ポーカロ、コーラスでヘイミッシュ・スチュワート参加の曲も…、という具合。特に編曲のクレジットはないが、アレサから両デヴィッドにMany Thanksが語られているところをみると、アリフ楽曲の実質的アレンジは彼らが分け合ったと想像できる。そしてその路線は、ズバリ、シェリル・リン<Got To Be Real>とか初期チャカ・カーン、デニース・ウィリアムス『WHEN LOVE COMES CALLIN'』あたり。

とりわけドゥービーのカヴァー<What A Fool Believes>のグルーヴ感は、ジェフとルイスによる鉄壁の完成度。この曲のカヴァーじゃマット・ビアンコが有名だけれど、コレ聴いちゃったら、もう戻れないっしょ トータルでは少々ツメの甘さが残っていたるするものの、コレ一曲だけでご飯3杯は行けます