2008年04月05日

■ ALL IN FUN / THE WRITERS

6304506c.jpgアドリブ誌とタワー・レコードの共同企画による新シリーズで、一挙10枚のフュージョン系再発が実現。スバリ、快挙。輸入盤で持ってるの以外は、シッカリ購入させていただきました。まぁ、何でアレが入らないの?という疑問もなくはないが、それはあくまで優先順位の問題。大筋納得のラインナップである。特に嬉しいのは、このライターズの2枚の世界初CD化だ。



このライターズは、名パーカッション奏者ラルフ・マクドナルドが中心になって生まれたセッション・グループ。他のメンバーは、ヒュー・マクラッケン/ジェフ・ミロノフ(g)、ジェリー・ピータース(kyd)、アンソニー・ジャクソン(b)、フランク・フロイド(vo)。そして準メンバーにハーヴィー・メイスン(ds)が名を連ねる。これはおそらく契約上の問題。どうもライヴ活動はほとんど行なわなかったらしく、バンドとしての実体はなかったのかも知れない。

でもこれだけのメンツが集まれば、音はさすがの安定感。アイディアの根源はおそらくスタッフなのだろうが、“ライターズ”と名乗るだけあって楽曲指向を打ち出し、メンバー各自がレパートリーを持ち寄った。激しいインタープレイはほとんど見せず、至ってコンテンポラリーな歌モノ・フュージョン路線。とりわけこの2作目ではヴォーカル曲の比重が増し、ジャズ・フュージョンのインスト系ユニットというイメージを破ろうと試みている。ポエムなアートワークも、そうした戦略の一貫だろう。実際、爽やかな朝方にサラリと聴き流すと、とても気持ちのよい音だ。

ただし、いわゆるヴォーカル物として考えると、どうよ? いい曲があるんだけどインパクトは弱いし、シンガーのキャラも弱い。全員歌伴をやらせたらサイコーに上手く、インストならそのスキルを活かせるが、決してそれ以上ではないんだな。ラルフも本当はすごく優れたソングライターだけど、他のメンバーを立てるためか、それがあまり生きていない。ズバリ、フロント不在。グローバー・ワシントンJr.<Just The Two Of Us>(これもラルフ作品)に於けるビル・ウィザースみたいなヒトが必要なワケです。現に最後のインストが一番シックリ来てたりして…。

結局のところライターズは2枚のアルバムを出したものの、フュージョン・バンドの枠を超えることは出来ず、ポピュラーな存在にはなり得なかった。だからCD化も遅れていたのだな。作品的には全然悪くないのだけれど…。でもフュージョン的な耳で聴くのならば、何の問題もナシ。うん、なかなか良いアルバムです。

ふと気づいたけど、なんだかスムース・ジャズのアルバムにポツリと入っている歌モノ・チューンだけを集めたコンピみたいな感じかね。ハハ、逆に言えば、スムース・ジャズって新しいようで、実は音楽的にはこの頃から何の進歩もしてないってコトなのだな。







オール・イン・ファン
ザ・ライターズ

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1. Rodney Franklinが世界初CD化  [ Mellow Floater.com ]   2008年04月14日 08:12
「Rodney FranklinなんかもCD化が実現して欲しいけど、無理か?」 なんて書いたら本当に出てしまったから驚きですヮ。 遂に世界初CD化が実現??.

この記事へのコメント

1. Posted by k1ono    2008年04月14日 15:18
ALL IN FUN は何年か前に私もサイトで取り上げており、スーパー・フュージョン・グループのひとつと言いきってベタ褒めしていますが、確かに強い個性が集結し過ぎて相殺しあってしまった様な面もあったのかもしれませんね。平均点は確実にクリアしているので、突出した楽曲やアクの強いヴォーカリストを配していたら、もっと評価は上がっていたかもしれません。

http://www2.atpages.jp/blackf/b_writer.html
2. Posted by kanazawa    2008年04月17日 10:55
ま、最初っからコンテンポラリーなスーパー・フュージョン・ユニットを作る目的で、集められたバンドでしょう。
ライヴでのセッションから生まれたスタッフとは成り立ちが違うんだと思いますよ。

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