3b45e670.jpg解説を書くため、6月中旬に発売になるアースのDVDを繰り返し鑑賞。このゴールデン・ウィークで一番スッキリ晴れたけど、相方は今日も出勤。結局自分も溜ってたDVDを観れずに連休が終わりそうだ。…っていうより、ココでガッチリ進める予定だったビッグ・プロジェクトの下準備が、ほとんど何も出来なかったんですけど…

このライヴは、邦盤が『天空の女神ライヴ』と名付けられるように、81年12月のライヴ。ちょうど<Let's Groove>が大ヒットしている最中で、黄金時代の最後っぺ、なんて見方も可能か。アンコールでこの曲が飛び出すと、エラい盛り上がりです。

とにかくたくさんのライヴ映像があるアースだけれど、そのほとんどは87年の活動再開、イヤ90年代以降のモノ。この時期のライヴ映像は結構貴重である。まぁ、アル・マッケイ(g)がいないとお嘆きの方もあるだろうが、カナザワ的には出戻り後任ローランド・バーティスタのシャカシャカ・カッティングも別の意味で大好きなので、これはこれで問題ナシ。マッケイがヒューマン・グルーヴ・メイカーだとすると、バチやんは正確無比のシャープさが魅力、とでもいうか。『POWERLIGHT』で飛び出す32分音符(?)のカッティングなんて、まさに鬼です。

しかしこの頃のメンバーは、当然ながらみんな若い。動きがキビキビしているし、運動量自体も豊富。そのうえ、フィリップ・ベイリーのファルセットが伸びること伸びること〜。歌唱力自体はもっと上手いソウル・シンガーがいるかも知れないが、声質自体が美しいよね、この人は。

一時間足らずの収録ということは、実際のステージからはだいぶ端折ってあるみたいで、<After The Love Is Gone>も<Boogie Wonderland>もないのが残念だが、それでも相当な満腹感。まぁ、最初と最後に繰り広げられるスター・ウォーズ風の寸劇は、今となっては滑稽だったりするが、それでもこれを観ちゃうと、やっぱり最近のアースじゃ物足りなくなってしまう。だから日本サイドでは、来日の度に「これが最後」とばかりに、パーキンソン病を患ってライヴ活動から身を引いたモーリス・ホワイトを引っ張り出すのだろう。でも中には、マジ、痛々しく見えちゃう時があって、それから彼らのライヴに行かなくなった。そういう近年の姿しか知らない人には、できるだけこのライヴ映像を観て欲しい。本当にパワー抜群だった頃の彼らを知って欲しいのはモチロンだけど、とにかくモーリスがいればOK!という発想は、主催側もファンももう止めるべきではないかな?