crusaders.dvd02年に復活したクルセイダーズは、ライヴを中心になかなか活発な活動を続けている。今年初めにもスティーヴ・ガッド入りのライヴを観たばかりだが、このDVDは復活直後のモントルー・ジャズ・フェス出演時の映像。今はそれをチラチラを横目で見ながら、そのライナーを書いているのだ。

この“Rural Renewal”ツアーからは、ひと足先に日本公演のライヴCDが発売済み。一方モントルーでの公演は、その約4ヶ月前にシュートされた。それでも意外と収録曲のダブリは少なく、定番曲3曲と新曲が1曲のみ。何と言ってもモントルー公演ではランディ・クロフォードがゲスト・シンガーに迎えられていて、B.B.キングの著名曲<Thrill Is Gone>、ビル・ウィザースが『RHAPSODY & BLUES』で歌っていた<Soul Shadows>、十八番の<Street Life>、そしてジョン・レノン<Imagine>を熱唱。<Imagine>は、81年のモントルーで生まれた傑作ライヴ『CASINO LIGHTS』で広く知られるようになったカヴァーで、そちらの彼女はイエロージャケッツをバックにシットリ歌い上げていた。当然この03年モントルーでも、いわゆる“ちりめんヴィブラート”も満面の笑顔も、どちらも健在。

ちなみにこの共演がキッカケとなったのか、ジョー・サンプルとランディは06年に共演作「FEELING GOOD』を発表。息の合ったところを聴かせてくれた。そしてその第2弾『RESPECT YOURSELF』が、この月末に発売される。

さらに笑えるのが、レイ・パーカーJr.の<Ghostbusters>。Ghostbusters!と叫ぶ代わりに、オーディエンスに<Crusaders!>と言わせるコール&レスポンスを繰り返した。古いファンにはオチャラケとしか取られないだろうが、まぁ、これはこれで楽しむのが正解だろう。2匹のロボット犬、AIBO(?)も、元気よく踊っているではないの。あれって、スポンサーか何かになってるんですかね?

でも実はこのDVD、ボーナスにトンでもない大玉が仕込まれている。それは同じモントルーに於ける、76年のクルセイダース。時期としては『THOSE SOUTHERN KNIGHTS(南から来た十字軍)』発表直後という最も美味しい時期だ。残念ながらすでにウェインはバンドを去ったあとらしいが、ラリー・カールトンとロバート・ポップウェルがシッカリ在籍している。髪がフサフサのラリー、秘密兵器といえそうなポップウェルの強力ベース、どっちもメッチャ若い。ただ4曲しかないのが残念なところ。まぁ、これでフル・サイズのフィルムがあったら、当然別個に出されただろうな。

それでも先のスタッフのライヴと同様、全フュージョン・ファンはマスト・バイです。