26324344.jpg80年・シアトル発の隠れたAOR傑作が、いよいよCDで登場する。既にデイヴ・レイナー本人が自前で出しているCDーRはココでもゲットできるようになっていて、少し前に親サイトの掲示板でも話題になった。そこで我が Lightmellow's Choiceで日本発売の交渉をしようと思ったら、先に某所が輸入盤国内仕様の話をまとめていることが判明。しかも出回っているR盤ではなく、日本用に限定プレスされるという。うぅ、ヤラレたぁ〜 それでも結局自分がライナー執筆を頼まれ、いま書いているのだけれど。

このレイナー君はフランキー・ブルーやブラウンスミスと同じ人脈に属し、ギターとヴォーカルのみならず、曲によってはベースやキーボード、ドラムまでこなすマルチ・プレイヤー。自前のスタジオを持ち、エンジニアまでシッカリこなす。でもその一方で、フランキー・ブルーが在籍したゲイブリエルの再会セッションと化したナンバーもあったりする。後にボーイ・ミーツ・ガールとなるジョージ・メリルも、シンセで参加した。

サウンドとしては、典型的ウエストコーストのAORを少し穏やかに、且つ豊潤にした印象。曲によってロビー・デュプリーやグレッグ・ギドリー、ロビー・デュークあたりを髣髴とさせる。マイケル・マクドナルド流のキーボード・リフを使ったナンバーは、ロジャー・ヴォードリス<Get Used To It>にそっくり

コレ!といったキラー・チューンこそないけれど、逆に捨て曲も一切なし。そんな会心の作が、拙著『AOR Light Mellow』に掲載されるまでまったく知られていなかった。まさに知られざる好盤というに相応しく、カラッと明るいL.A.やサンフランシスコとはまた違った表情のウエストコースト・サウンドを聴かせてくれる。

ちなみにこの人、メロウにAORしたネオアコ・ユニット、リズム・カフェのエンジニア、ギタリストであり、一時はデニース・ウィリアムスのミュージカル・ディレクターとして、彼女のグラミー受賞に貢献しました。