71082956.jpg近々ブルー・レイ版が出し直しになる、というコトで新規ライナーを依頼され、現在鋭意執筆中。このプロジェクトをことを知り、「観たかった!」と地団駄踏んでから既に10余年。「やっと映像で観られる!」と、DVDに飛びついてからでも4年近くが経っている。いつもながら、時の流れって早いデスね〜

これだけの歳月が過ぎたので、クラプトンにとってのレジェンズの意義は何だったのか、考えてみた。そこでひとつ、浮かび上がったのは、ややマンネリ気味だったライヴの面白さを再発見したのではないか?と。

キャリアの違う強者たちとプレイすることで、そこにまた新たなケミストリーが生まれる。そこに自分が自分なりのスタンスで貢献できる。それに気づいてから、クラプトンはクリームの再結成や、デレク・トラックスを迎えてもデレク&ザ・ドミモス再現ツアー、そしてスティーヴ・ウィンウッドとの共演に踏み込んだ。今年日本で実現したジェフ・ベックとの夢の共演も、その一環。

もちろん還暦を過ぎて、残り少なくなったキャリアを総括している側面はある。でもそうしたプロジェクトに向かった背景には、あのバンドでもう一回やってみたい、アイツともう一度手合わせしたい、そういうミュージシャンとしての貪欲さだと思うのだ。それを気づかせたのが、このレジェンズだったに違いない。

ジョー・サンプル、デヴィッド・サンボーン、マーカス・ミラーにスティーヴ・ガッド。そんなジャズ・フュージョンの名手たちに囲まれたクラプトン。いつもと違って、サスガにこの時ばかりはちょっと緊張気味だ。それだけに時折見せる笑顔がとても印象的だったり。クラプトンやロック・クラシックしか聴かないようなファンには、この映像はどう映るのだろうか?