6a7c7da7.jpgまたもや訃報。このところ、ちょっと多いような感じがあるが、それは気のせい?? おっと、でもジャケを掲げたボズさんではないので、ご安心を。

天に召されたのは、マッスル・ショールズ・リズム・セクションの鍵盤奏者としてお馴染み、プロデュースの実績も多かったバリー・ベケット。去る6月10日(水)に、テネシー州ヘンダーソンヴィルの自宅で死去したという。享年66歳。情報では、前立腺や甲状腺などに癌を併発していたらしい。

マッスル・ショールズといえば、ウィルソン・ピケットやパーシー・スレッジが真っ先に思い浮かぶ。アレサ・フランクリンもジェリー・ウェクスラーに連れられて現地フェーム・スタジオを詣で、アトランティックでの黄金時代を踏み出した。でも当時のリズム・セクションは、ジミー・ジョンソン(g)、ロジャー・ホーキンス(ds)、デイヴィッド・フッド(b)に、キーボードはスプーナー・オールダム。しかし間もなくオールダムがそこを去ることになり、後釜としてバリーが迎えられた。彼らは69年にフェームから独立し、新しいスタジオ:マッスル・ショールズ・サウンド・レコーダーズを設立。更に多くのアーティストたちのマッスル・ショールズ詣を迎え入れることになる。いの一番に彼の地を訪れたひとりが、ボズというわけだ。

そこで思い出すのは、ポール・サイモンやジョー・コッカー、トラフィック等など、挙げ出したらキリがないほど。ボブ・ディランも宗教掛かった時期に南部マッスル・ショールズを訪れ、ベケットにプロデュースを請うている。

このアルバムの邦題は、『ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン』。オールマン・ブラザーズ・バンドのデビュー直前、デュアンはココでセッションの仕事をしていたのだ。原題にはデュアンの名はないから、まさしくオールマン人気を当て込んでの命名だったワケ。でも、そもそもこのアルバム、日本では『SILK DEGREES』の大当たりに便乗して発掘された覚えが。とはいえ、フェントン・ロビンソンのブルース・カヴァー<Loan Me A Dime>は味わい深い名曲。ボズのライヴではすっかり定番だけれど、AOR期のボズにしか興味のない人には、このイブシ銀の魅力は分からないかも。

そういや、マッスル・ショールズのメンバーを引き連れてた頃のトラフィックの映像がDVD化されているとか。ベケットも参加してるはずなので、これは早々にチェキしないと…。