leon_ware_82メロウ大王ことリオン・ウェア@丸の内コットンクラブ、セカンド。約7年前の来日は大阪ブルーノートのみで、今回が初めての東京公演。しかも3日間で評判はウナギ上りとなり、この最終日セカンドは満員御。一部特設のスツールが並ぶほどの盛況ぶりとなった。

リオンは基本的にシンガー・ソングライターだから、決してヴォーカルで勝負するヒトではない。かといってバックの演奏力で盛り上げるタイプでもないから、初めて彼を観るカナザワは、リオンがどんなステージを展開するのか興味津々、結構ワクワク。

バックにはウェイン・リンゼイ(元メイズ)をバンド・マスターに、スムース・ジャズ方面で売れっ子のドウェイン・スミッティ・スミス(b/リーダー作あり)、再結成ルーファスでも来ていた(らしい)ドネル・スペンサーJr.(ds)など、少し地味ながらも実力派を揃えた感じ。ウェインに関しては、元奥様がパティ・オースティンと来ていたワケで、連チャンでex-カップルを観ることにちょっと因縁めいたモノがあったり。ま、もっともパティもリオンもクインシー・ジョーンズに近いのだから、人脈的には当然被るのだが…。

さてメロウ大王のステージは、ノッケからバック・ヴォーカル:ニッキー・グリアのブリブリ・セクシー・ダンスで幕を開ける。少し遅れてステージに上がったリオンは、純白スーツにサングラスという出立ち。どことなく優雅な振る舞いで、センシュアルな香りを振りまく。それでも楽曲毎に丁寧な解説を入れてくれるあたりは、さすが職人ソングライターのコダワリか。

オープニングはアイズレーの<Got To Have You Back>、マックスウェル<Sumthin' Sumthin'>と続き、再興スタックス発の最新作『MOON RIDE』から<Hold Tonight>、<Moon Ride>が歌われる。そして若き日のマイケル・ジャクソンに提供した<I Wanna Be Where You Are>(メリサ・マンチェスターやマーヴィン・ゲイでもお馴染み)へ。ここで一度オーディエンス総立ちとなった。

しばし、ウェインのピアノをフィーチャーしたインストでクールダウンしたあと、怒濤の後半へ突入。口火を切ったのは、名デュエット曲<Why I Came To California>だ。どうやら演らなかった日もあったらしいが、リクエストが入って復活したとのこと。やっぱり日本じゃコレが入ったこのアルバムで注目された部分がありますから。ニッキー嬢との絡みは、もうひとつのお目当て<If I Ever Lose This Heaven>でも。そしてやっぱり2人とも艶やか且つエッチでありました

続いて<Inside My Love>、<Rockin' You Eternally>と、リオンがソロ・アクトとして最も活発に働いた時期の代表曲が並び、ステージ終盤へ。曲はダニー・ハサウェイに提供した<I Know It's You>、本編ラストで言わずと知れた<I Want You>、一度引っ込んでアンコールに<After The Dance>。この怒濤の攻めは、ヤク漬けセックスみたいなモノか? 当然クラブ内も異様な熱気に包まれ、リオンは客席を回って握手&ハグ。更にバンドが引いて、リオンのピアノ弾き語りによる<Forever>でエピローグ。最後を締めた台詞は「I'll be back!」だった。

聞くところに拠れば、セットリストはステージごとに若干調整があったとのこと。演奏自体も日増しに良くなり、最終日がベストだったそうだ。ラッキー オーディエンスのミュージシャン率も高く、たまたま隣の席が片●明●さんご夫妻、後ろに流●型ご一行で、いろいろ声を掛け合ったりも。いやはや、いつまでも官能路線を突き進む、サイコーのお爺ちゃんでありました