rob_mehl先週、掲示板の方で話題になっていたロブ・メールのファースト・アルバムが到着。ただCDのジャケは、色見があまり良くなくて、ずいぶんくすんだブルーが基調になっている。おかしいなぁ、日焼けしたジャケをスキャンしたのだろうか。手持ちのアナログ盤は、もぅ少しパステル・ブルーっぽいのだが。そこで上記ジャケは若干色調修正し、オリジナルに近づけてみたりして…

ハワイ生まれのロブは、現地と米西海岸を行き来しながら音楽活動を続けるシンガー・ソングライター。このデビュー盤はCCM系アーティスト;ジェリー・リンピックのプロデュースで、L.A.にてレコーディングされた。アチコチの資料を当たっても、“80年代のリリース”というアバウトな結果しか出て来ないが、ちょっと頭をヒネって調べると、おそらく実際の発売は80年ちょうど(もしくは81年初め)だったと思われる。同じくCCM系のトム・ハワード、ミシェル・ピラー(現ラリー・カールトン婦人)らも、セッションに参加した。

アルバム全体に通底するのは、たおやかでオーガニックなアコースティック・サウンド。特に前半(アナログA面)は、カラパナやマッキー・フェアリー・バンドを髣髴とさせるライトメロウなブルー・アイド・ソウルのオン・パレードで、思わずトロ〜リとろけてしまいそうになる。

だが後半に入ると、更にアコースティック・テイストが強くなり、AORと言うよりは、弾き語りにリズムが付いた形のウエストコーストっぽい曲が増えてくる。しかし、ラス前に登場するタイトル曲は、陰影に富んだ好曲。マーク=アーモンドの某曲にそっくりだったりするものの、そこはまぁ、ご愛嬌ということで…

アナログ盤が相当レアだっただけに、こうしてCD化されただけでも奇跡的な出来事だ。ところが、ネット・ショップでは軒並み発売日前に予約完売で、カナザワも現物が届くまで、ちょっとヒヤヒヤした。が、既に追加プレスも決定したようで、これはメデタイ。ただリリースする以上は、レーベルも作品情報をもっとシッカリ伝えて欲しいもの。況して今回はアーティスト直に繋がっているのだから、いくらでも情報は得られたはずなのだ。それなのに、ライナーがないどころか、正確なリリース時期さえも伝えられていない。これでは折角のグッジョブが台無しである。

このロブ・メールといい、北欧のイングマール・ヨハンソン、フレンチ・カナディアンのドワイト・ドゥルイックといい、Creole Stream Musicなるインディさんは、素晴らしくも恐るべきリリースを続けている。だからココはもう少し頑張って戴いて、発信する側としてやるべきコトをキッチリやって欲しいもの。こうしたアルバムは、ただ出せばいい、というモノではないのだから…。

ディスクユニオン