adlibスイングジャーナル社発行の音楽専門誌、月刊アドリブが、来月4月発売の5月号を以て休刊されることになった。本日売りの4月号【編集後記】で、それが発表されている。関係者に聞いたところ、かなり急な決定だったそうだ。

前日、編集部から届いたお知らせメールには、以下のように書かれていた。

《ADLIB》は、1970〜90年代におけるクロスオーヴァー、ディスコ、ソウル、AOR、フュージョン、ブラック・コンテンポラリー、ニュー・エイジ・ミュージックなどの黎明期、成長期、発展期、成熟期など、すべての時代を共に歩み、情報発信して参りました。しかし、今世紀に入り本格的にインターネット時代を迎え、情報収集の対象が変化し、新聞や雑誌などの役割も以前とは大きく変化してきました。それに加え、昨今のレコード業界の業績悪化、それに伴う音楽雑誌全般の広告収入の減少など、そうした時代の大きな変化を見るにつけ、弊誌も自らが担い続けてきた使命の限界を予感し、忸怩たる思いもございますが、37年間の歴史に、ここでひと区切りを打とうと決心した次第です。

***********************

73年の発刊から37年。カナザワは愛読者として18年、ライターとして11年の計29年間、この雑誌に触れてきた。イヤ、触れてきた、なんてモンじゃない。今の自分があるのは、このアドリブのお陰。80年代の頃なんて、ホントに隅から隅まで舐めるように読み尽くしていたな。だから自分の音楽の方向性が定まったは、このアドリブあってこそ。

音楽ライターとして初めて仕事を頂戴したのも、やはりアドリブだった。ミニコミ経験はあったものの、プロの書き手としての自分は、間違いなくこの雑誌に育てられた。それこそ松下編集長には、自分の結婚披露パーティーの主賓として祝辞を賜ったりもしている。

それだけに、“一時代が終わった”という感慨ではなく、何か心にポッカリ穴があいた気分。名物エディターのY氏が編集部を去ったあと、誌面刷新など何かテコ入れがあるかと期待していたが、それもままならないまま、意外とアッサリ幕を引くことになってしまった。残念と言う他ない。

ただ自分の中では、このままでいいのか?という焦燥感が強い。ネットの普及と不況の波をもろに被り、出版業界も音楽業界も大変厳しくなっている。しかし、紙媒体でしかできないことや、プロ集団でないと発信できないことは必ずあるはず。ましてアドリブは、大人の音楽リスナーに向け、ジャンルを超越してコンテンポラリー・ミュージックのアレコレを発信し続けるワン&オンリーの存在だった。だから、そのスピリットを継承し、良質な音楽ファンを育てていく。僭越ながら、それがアドリブで育った自分に課せられた使命ではないかと思っている。一介の音楽ライターでしかない己に、いま何ができるかは分からないけど…。

いずれにせよ、アドリブには言葉にならないほど大きなモノを戴きました。松下編集長、編集部の皆さん、本当に大変お世話になりました m(_ _)m