preasure_joyousこれは個人的にメチャクチャ嬉しいリイシュー。元クルセイダーズのウェイン・ヘンダーソンが立ち上げた原盤制作会社アット・ホーム・プロダクションに於いて、 ロニー・ロウズやサイド・エフェクトのバックを務め、実質的な箱バン状態にあった実力派ジャズ・ファンク・グループ:プレジャーの代表作が、やっとCD化されたのだ。

アット・ホーム物を多数リリースしていたファンタジーは、優れたレア・グルーヴ系カタログを多数持っているレーベルなのだが、ローカル・リイシューに対してはずっと否定的で、音楽ファンのニーズとの擦れ違いを起こしてきた。それが近年は少しづつ変化してきたようで。これも英エース系の再発レーベル、BGPからの登場。当然プレジャー自体の再発も遅れていたので、これが数年前に初期2作が2in1で出て以来のコトになる。

プレジャーの中心人物は、ギターのマーロン・マクレイン。ダズ・バンドやショック、あるいはジェフ・ローバーとの絡みでも知られる人で、ソロ・アルバムも出している。そしてもう一方の重要人物が、ベースのナザニエル・フィリップス。彼こそがウェイン・ヘンダーソンの右腕となったミュージシャンで、82年の解散後はクーラーという知られざる名バンドを率いたりもした。この2人が両輪となって、ホーン隊を擁する大所帯を切り盛りしたのだ。そうそう、サックスの人は、ノーマン・コナーズにも絡んでいたな。

ソウル・ファンにはジャズ過ぎる。ジャズ・ファンにはファンキー過ぎる。ファンク・フリークにはフュージョンっぽ過ぎて。かといってシングル・ヒットが狙えるほどキャッチーではない。そんなビミョーな立ち位置にいたプレジャー。だがジャズ・ファンクの面白さ、演奏の奥深さを知ってしまったリスナーは、もう愛さずにはいられない。かくいうカナザワも、レア・グルーヴがハヤるずっと前から、10枚近くある彼らのアルバムをせっせと買い集めていた。それこそ80年代当時は、ディスコグラフィーさえもよく分からなかったんですから!

…というわけで、ジャズ・ファンクと聞いてカナザワが真っ先に思い出すグループのひとつが、このプレジャー。そっち系が好きな方は、一度聴いてみることをオススメします。