luiまるでビーチ・リゾートのパンフレットのようなジャケットに包まれているのは、ハワイアン・コンテンポラリーの激レア盤、ルイの78年作。それがこの度メデタく、アプレミディ・レコーズから1000枚限定で初CD化された。

“ルイ”ことルイ・ウィリアムスは、マウイ島のリゾート・ホテル、マウイ・サーフ・ホテルのラウンジで歌っていたという現地のシンガー・ソングライター。このアルバムもホテルがスポンサーになって制作したものらしく、ジャケ写はそのままルイの職場でもあったわけだ。

ただこのアルバムが特別なのは、観光客目当てにハワイのトラディショナル・ソングや有名曲をジャワイアンにしてカヴァーしたものではなく、基本的にオリジナルで勝負しているところ。もちろんカヴァーもあるし、オリジナルもラウンジーではあるのだが、やはりカラパナやセシリオ&カポノのような連中への憧憬が聴いて取れる。それでもローカル・カラーが漂うのは、メインランドで活動した彼らや観光都市ホノルル周辺ではなく、ロコ色豊かなマウイ島発信だからか。

それでも、アチコチで書かれているように、これを“ハワイアンAORの最高峰”とするのは、些か早計かと。最高峰か否かはともかく、コレはもはやAORではないだろう。とろとろにトロけていて、至極メロウだけれど、あくまでコンテンポラリー・ハワイアン。時に拡大解釈しすぎと揶揄されるカナザワの感性を持ってしても、これだけローカルだとAORとは呼べないなぁ…。限定盤ですぐにプレ価になるのが分かるだけに、そこはシッカリ主張しておきたい。

でも、クソ暑い今年の夏を涼しく乗り切るためのBGMとしては、まさに最高峰かも。ただしちょっとユルすぎて、すぐ眠りに落ちちゃいそうではあるのだが…