masakomiyazakiジャズ・ピアニスト三保敬太郎の奥方のソロ・デビュー作。リリースは78年。元々慶応の有名なコーラス・グループ、ザ・カルアのメンバーとして活躍し、シンガー・ソングライターとしてもヤマハのライトミュージック・コンテスト東京代表を務めた女性である。

当時の解説に拠れば、フェイヴァリットはクレオ・レーン、パティ・オースティン、スティーヴィー・ワンダー、タワー・オブ・パワー、スティーヴン・ビショップにビル・エヴァンスとか。うーむ、こりゃあジャズというより、完全にクロスオーヴァー。まるで他人事とは思えませぬ

バックを務めるのは、当時のザ・プレイヤーズ。いや、まだコルゲン・バンドと名乗っていた時代か。収録曲もアントニオ・カルロス・ジョビンにアース・ウインド&ファイアー、マイケル・フランクス、スティーヴン・ビショップ、パティ・オースティン、ルーファス、ミシェル・ルグランのリメイク等などと、まるで最近のフリーソウル・スタイル。極めつけはオープニングのシーウインド<He Loves You>で、ほとんどアレンジをイジらずとも、その選曲のセンスの良さにアッサリ持って行かれる。

当然ながら、我が『ライトメロウ和モノ669』に選出。和モノ・コンピを作った時にも<He Loves You>をリクエストしたが、あの時には許諾が出なかった。それがこうして初CD化。ヤラレタ!という気持ちがありつつも、よくぞ出してくれた!という感慨の方が大きい。まさにクラブ世代のためのJジャズ・アンセム。ジャケのしどけないお姿にも、感じちゃいます。