bad_coHey,Everybody! Let's get it on with Bad Company!! …というワケで、先週デヴィッド・フォスターを観た東京国際フォーラムにて、バッド・カンパニーのジャパン・ツアー最終公演を堪能。何せデビュー直後の75年3月3日に武道館で一回こっきりの公演を行なっただけで、2度と日本の地を踏まずに解散してしまったグループである。しかもビートルズしか知らなかった当時のカナザワにとって、バド・カンは初めてアルバム単位で聴いたロック・バンド。ぶっちゃけ、サイモン・カークを聴いてドラムを始めたようなモノなものなのだ。だから彼らへの思い入れは尋常じゃない ちょうど同じような境遇の元編集者と誘い合わせ、ライヴ前から大ジョッキ2杯空けてゴキゲンで乗り込んだ

ポール・ロジャースの息子スティーヴが弾き語りでオープニング・アクトを務めたあと、「ワン、トゥ、ワン・トゥ・スリー」のカウントで幕開け。もちろん<Can't Get Enough>でスタートだ。オーディエンスは40代以上の男性ファンが8割以上を占めたが、即・総立ちで、それがラストまで。普通は相当しんどく感じるはずが、一気に最後まで駆け抜けた。ちなみにセットリストは毎晩のように変えられていたらしく、オープニングも日によって<Burnin' Sky>だったり、<Rock'n Roll Fantasy>だったりしたそう。また来日直前になってギターのミック・ラルフスの病欠が決まったが、サポートのハワード・リース(元ハート)がそのまま穴を埋める形に。燻し銀的なラルフスに比べると、ちょっと弾き過ぎの感もあるプレイだったが、セカンド・ギタリストとしてずっと一緒にツアーしてきただけにツボはシッカリ押さえてた。ただ、これでポール・ロジャースがツイン・リードを弾くか!?と期待したら、それは当てはハズレて…。何曲かチャーっぽいルックスの若いギタリストが入ったものの、ポール自身は時々ピアノと生ギターを弾くだけで、最後までエレキは持たなかった。

それでも、とにかく大満足。齢60を越えているというのに、ポール・ロジャースのヴォーカルは実に若々しく、ピッチもトーンも声量もまったく衰え知らずである。しかもアクションがいちいちカッコ良く、マイク・スタンドを振り回す姿も実に鯔背で。その男気に男が惚れて…いうのが、バド・カン最大の魅力だ。彼とクイーンとの共演も悪かなかったが、やっぱりポールはコレだよなぁ〜と実感した。そういえば、スモークをガンガン焚いた曲が2曲ほど。こんな70年代のハード・ロックっぽい演出を観たの、久々過ぎて涙が出ました 

最終日というコトで、サプライズも随所に。石橋正次主演のTVドラマのテーマ<夜明けの刑事>をフルコーラス歌ったのはこの日が初めてだったらしいし、フリーの<Be My Friend>も初登場とか。来日直前の某インタビューで、“フリーの曲は演らないの?”という問いに対し、ポールは「今回はバッド・カンパニーのライヴだからね」と答えていたので、これは超意外だ。更にメンバー揃ってお辞儀したあと、ポールの音頭で再び各ポジションに散り、ブルースのスタンダード<Stormy Monday>を。欲を言えば<Good Lovin'>も聴きたかったし、この日は<Rock Steady>がメニューから外されてしまって残念だったが、それが大したコトじゃないと思えるほど、充実したステージを見せてくれた。

この日のセットは以下の通り。

1.Can't Get Enough
2.Honey Child
3.Run With The Pack
4.Burnin' Sky
5.Oh! Atlanta
6.Seagull
7.Gone, Gone, Gone
8.Mr.Midnight
9.夜明けの刑事
10.Electric Land
11.Feel Like Makin' Love
12.Shooting Star
13.Rock 'n' Roll Fantasy〜Beatles Medley (Ticket To Ride〜I Feel Fine)
14.Movin' On
【Encour】
15.Bad Company
16.Be My Friend
【2nd Encour】
17.Ready For Love
【3rd Encour】
18.Stormy Monday

ニュー・アルバムの予定こそないものの、メンバーが楽しめる間は続けたいというバド・カンのリユニオン。今度は是非ラルフス入りでの再来日をお願いしたいところだ。