emotions_new_affair輸入盤ではエモーションズのリイシューが着々と進んでいるようで、昨年暮れに世界初CD化されたこの81年作に続いて、間もなく78年作『SUNBEAM』も出直すとか。ま、スタックスを辞してモーリス・ホワイトのカリンバ・プロダクション入りしてからの諸作は、日本ではこの『NEW AFFAIR』を除いて逸早く銀盤化されていたので、あまり慌てる必要もないのだが…。

その『NEW AFFAIR』は、モーリスとの蜜月期の最後を飾った一枚。ただし御大が直接手を下しているのは1曲のみで、あとはエグゼクティヴ・プロデューサーに退いている。前作のブレーンだったデヴィッド・フォスターの名もない。代わりに仕切り役を担ったのは、フォスターと共にこの時期のアース・ウインド&ファイアーに貢献していたビル・マイヤーズだ。

そのためか、お馴染みのL.A.スタジオ・ミュージシャン軍団も若干若返り傾向で、当時の新進が多数参加している。例えばカルロス・リオス(g)とかニール・スチューベンハウス(b)、リッキー・ローソン(ds)とか。その中でデヴィッド・ペイチとテニソン・スティーヴンスという両鍵盤陣、ケニー・バーク(b)といった名前に、思わずニヤリ。

全米首位に立った<Best Of My Love>やR&Bトップ10入りした<Don't Ask My Neighbors>など大ヒットを持つだけに、コレといったヒット曲のないこのアルバムは、些か地味な扱いをされてきた。それでもアース色を払拭し、時代の音によりヴィヴィッドに反応してみせるなど気概に溢れている。個人的にはアーバンなファンク・ビートにキレを見せる<Love Lies>や<Turn It Out>をイチ押し。モーリスやペイチが共作した<There'll Never Be Another Moment>の突き上げるようなグルーヴも、全盛期のアース・サウンドより、もう一歩新しい。